1WL純正リジットフレーム
2ワンオフ,ガソリンタンク
3フロント18インチ
4リア16インチ,120-80エイボンタイヤ
5真一文字ハンドルバー
6フラットフェンダー幅つめ加工
7シッシーバー製作
8別体式ミニコブラシート
9リンカートキャブレター
10エキゾーストパイプのみ
11FXRオイルタンク流用
・バッテリーケース移働

この‘45WLも先程の90年式4速スポーツスター同様,スタッフ所有のバイクです。
この旧車は,長期間ツーリング専用のバイクだと本人は当然のように語ります。
このような旧車チョッパーで,しかも非力といわれるWLで大阪から遠く離れた九州や北海道を走り回るとはオドロキですが,本人はこのパワーのなさが逆に現在の道路事情では,精一杯アクセルを開けることが出来るので,気持ちがイイのだそうです。
今年の雨の九州や雨の北海道でこのWLと相棒のWLAが荷物満載で走っている姿を見かけた方もいるかも知れませんね。
コンセプトはチョッパー大好きの製作者をして,「WLでBIG TWIN系のスタイルを」だそうです。
なんのことだか分からない方も多いと思いますが,説明しますと,タイヤサイズがこのカスタムの大事なポイントなのです。
フロントタイヤを18インチに変更し,リアタイヤはノーマルの16インチのホイールに120-80サイズのエイボンベノムタイヤを装着しています。
このことによって,BIG TWINのチョッパーでフロント21インチ,リア16インチのスタイルに似せているのだということです。
あまりにもマニアックで,解説を書いている私も頭痛がしてきました。
先を急ぎましょう。
ワンオフされたシートはとても丸く,かわいらしいデザインで,このバイクには良く似合っていると思います。
WLを,このスタイルとカラーリングで仕上げるというセンスは日本ではまだ,めずらしいことではないでしょうか。


旧車らしさといえるリンカートキャブとインナースロットルにこだわったハンドルまわり。
オリジナルスプリンガーから,すっきりと立ち上がるライザーにホントにまっすぐな棒であるハンドルバー。
手のひらにすっぽりと隠れてしまうチビグリップの選択は旧車好きなら分かってくれるでしょう。
シンプルさを追求しているのでスイッチ類もありません。
ブレーキレバーも当然のごとく左にセットされています。
あっさりとした潔いまでのハンドルは見る者に,実にストレートに軽快感を演出してくれます。
5ガロンタンクの両端をカットした部分を利用したワンオフタンク。左右分割式でWL独特の猫背フレームを挟むようにセットされています。
その隙間にスイッチ類が配置され,思いのほか使い勝手は良好です。
製作者いわく「流行にもしっかりと乗る」という言葉を反映して,カラーリングはハウス・オブ・カラーのキャンディライムベースでキャンディオレンジの細いフレイム仕様。
画像では表現しきれませんが,太陽光でキラキラと輝き,フレームの半つやブラックと相まって旧車チョッパーとしても,とても良い感じに仕上がっています。
ハンドシフトには一昔に流行ったマーブルシフトノブが華を添えているようですね。
車体と同色にペイントされたリアフェンダーは、タイヤがはみ出るほど細く加工されています。
ノーマルのWLはオイルタンクがガソリンタンクの横にあるのですが,このバイクではFXRのオイルタンクを流用してシート下に納めています。
しかし,WLはこの位置には本来,6Vのバッテリーが設置されています。電装系を6Vに,こだわっているためにバッテリーが12Vのように小型化できず,またツーリング専用なのでマグネトー改造もイヤという考えで,WLA純正テールライトの下,ナンバープレートの裏に移動されています。
また,これによって6Vの電装系であることを誇示しているそうです。
前説のスポーツスターチョッパーもコンパクトなバイクでしたが,このWLチョッパーはそれより,小さなサイズになっています。
国産125ccのバイクに乗っているようにしか見えません。
高速道路の料金所入口で足留めを食らうこと請け合いでしょう。
また,車重のほうも,ただでさえ軽量のWLをチョップしたのですからモトクロスバイク並みとなっています。
ご自分の愛車のWLで、なにか変わったカスタムプランはないかと、お考えの変人に実にマニアックな指針になればと思います。