1-パンヘッド純正タンク
2-パンヘッド純正メーター
3-フロント・2インチカット
4-12インチ・純正リアショック
5-リアフェンダー加工
6-ポリス用・ソロシート
7-ケイヒン・キャブレター
8-メガホン・チップ
9-その他ノーマルパーツ流用



このアーリーショベルは現在の私のバイクです。先日まで所有していた78年式ショベルは「お客様のオーダーに迅速に応えるためのショベル・チョッパーにするべき安いベース車両がなくなった。」という理由で没収、外装が外されチョッパーに生まれ変わるために新しいオーナーを待っています。新規の顧客には、あふれんばかりのサービスで応えるのに対し我々古株に対するシックスモーターサイクルのスタンスはベース車両保管庫ぐらいにしか考えていない、実にドライなものといえましょう。
そんな理由で手持ちのバイクがなくなった私にあてがわれたのが中国地方のとあるバイクショップから裏取引きでやって来た、うさん臭いうえにあまり見かけない中途半端なモーター、アーリーショベルでした。最初は前オーナー自らペイントした紅白のおめでたいスタイルでしたがよくよく観察すると元ポリスくずれのこのバイク、思ったより純正度が高かったのとゴールデン・ウィークまでに始動できるように、手っ取り早く外装を変えるだけのライトカスタムで仕上げることに。もちろん外装は以前のモノをそのまま使用しましたが、同じようなスタイルでは面白くありませんので時間短縮もかねて、巷で密かに人気のボバー・タイプへと変化させました。
ボバーといえば、サンデーレーサーのチョップ・バイクが元になっているそうですが、軽量化のためにフェンダーなどの付属パーツを取り払うのは当然として、さらに走行性能を上げるための努力もせねばなりません。リジッド・フレームなら車高の低い高いは何の問題もないのですが、この時代になるとリアショックのスイングアーム仕様なのでセオリー通りならローダウンは御法度。しかし、私は車高ベタベタのロースタイルはカッコイイと心の底から思っているので矛盾する考えになりました。ちょっと悩みましたが、シックスモーターサイクル流に性能を犠牲にしてスタイル重視で決行。こうなればコンセプトも方法論も関係ありません。きっと昔の人も同じような葛藤の末、レーシーなボバースタイルからラジカルなチョッパーへと移行したのではないでしょうか。真に自分の都合の良いように美味しい所だけ頂戴した冥府魔道のショートカット・スタイルです。



以前のバイクからそのまま移植したタンク廻り。いろんな年代の寄せ集めですが個人の趣味からオリジナルパーツで仕上げてあります。ハンドル廻りはノーマルで汚いグリップはたぶん10年ぐらい前のV-TWIN製。ライザーカバーにあるマーカーは手に入れた時点で加工されていたウィンカー確認ランプで、あると結構便利な逸品です。 余白 68年型ゆえオイルポンプは強化タイプのアーリーショベル・モーター。キャブレターは後のタイプのケイヒン・バタフライでインナースロットルはキャブに合わせて加工されています。エアクリーナーは円形のタイプが付いていました。ノーマルには無いキック・システムも装着され、思う存分キックして擦り減っても惜しくない社外品のペダルを使用。



つるりとしたフリスビーのようなドラムブレーキ。次の年式から反対側に取り付け位置が変わりますが、このタイプはブレーキレバーが逆になるのでワイヤーの取り回しが遠回りで何か変です。Firestoneのレプリカ・タイヤも性能よりデザイン優先で選びました。 余白 クラッチ調整用のダービーカバーが存在しない不便極まるプライマリーカバーはこの時代独特の造作です。ちらりと見えるシートはポリス用のソロシートで、厚みがありスタイリシュなデザインではありませんが、この野暮ったい雰囲気がこのバイクには合っているでしょう。



ヒンジ部分で取り払われたリアフェンダーがボバーらしい雰囲気ですが、このタイプは長いストラットがもれなく付いてくるので処理に悩みましたが、考えても良い方法が出なかったので無加工で装着。余ったボルト穴にはこのバイクで唯一のONE OFFパーツ、プレートベースを付けました。
オールドスタイル・テールランプは前オーナーの自家塗装の赤色を残してやや上向きに取り付け。プレート・ボルトはジュエルタイプを選択。
余白 ボバーにあるまじき低い位置でストレートに取り廻されたノーマル・マフラーシステム。先端に取り付けられたメガホン・チップがさらに旋回性能を低下させています。このラッパ、ボバーカスタムでよく使われているので真似して採用しましたが、純正のエクゾーストをカットするのが惜しいので直に取り付け。そのため、タイヤ位置から大きくはみ出して車長の増加に一役かうはめになりました。その後、邪魔なので外しましたけど。

MAY.2005