1-ハードテイル加工
2-74スプリンガー,21インチタイヤ
3-F,Rドラムブレーキ
4-1,5インチオープンベルト
5-ミッドコントロール
6-ロッカークラッチ,ジョッキーシフト
7-SUキャブ
8-エイプバー加工
9-フラットフェンダー,デュオテール
10-ワンオフマフラー
11-ラウンドオイルタンク
12-マスタングタンク
13-シルバーフレイムライン,ペイント



前回製作したバイクが再び?それともクローンバイク?いやいや、このモデルはそのような次元のモノではありません。ただカッコイイからという理由だけで、だらだらと10年以上もチョッパーを造り続けて試行錯誤を重ねたうえで今回初めて披露することのできるシックスモーターサイクル流のこれぞスタンダードというべきポジションのチョッパーなのです。
世の中のチョッパーが「いかに造作的に凝っているか?どれだけ芸術的か?またはヤレているか?パーツの価値は?」と凌ぎを削っている風潮の中で、「ただストレートなシンプルさ」だけを追い求めた、シックスモーターサイクルの答えがこのチョッパーには込められています。目新しいスタイルでもなく、いにしえの貴重なお宝パーツを奢っている訳でもなく、ピカピカでもなく汚くもない。一見どこにでもありそうなチョッパーではありますが、その細部まで吟味されたラインから紡ぎ出されるさりげないバランスの妙はどこにもない、すばらしいものだと三流ショップなりに自信をもって断言できるチョッパーです。今回、そのスタイルをじっくり楽しめるようにカラーリングはあえてブラックを基調としたもので仕上げました。半世紀以上に渡る先人達の努力の果てに淘汰されて生き残った基本部分のみを真摯に受け継いで奢り高ぶらず、ほんのちょっぴりのエッセンスを加えるだけのスタンスでこれからもしっかりと進みたいものです。



程良い高さと幅のエイプタイプバーは、そうは見えませんがこれでも既製品に大きく手を加えたモノです。クロームを排してブラックペイントで仕上げていますので、よく見ると表面にあえて残した溶接後がきれいに並んでいるのがわかります。ハンドルのフォルムを強調するためにグリップなどのパーツはあっさりとしたものをチョイスしました。 余白 2.2ガロンのナローマスタングタンクは既製品を使用しています。ショベルヘッドには大きすぎず小さすぎずのきれいなフォルムのタンクなので大きく手を加えることはせず、フレームとのバランスを第一に考えてマウント部分のみを加工しました。ペイントもパターンは派手なフレイムですが、全体の雰囲気に合わせて落ち着いたトーンに抑えてあります。



ショベルモーターは鈍く光る素材の色を活かした仕様でシリンダーなどはブラックペイントのモノトーンでまとめました。ストレートとアールの割合が良い感じのドラッグパイプは輪切りのパイプを程良い角度で繋いだ
ONE・OFFマフラー。
FX系のノーマルステップを流用したミッド・スタイルコントロールも地味な造作ですが必要十分なカッコ良さです。キャブレターは人気の高いSUにメッシュのエアクリーナーを装着。
余白 チョッパー好きなら一度はやってみたいオープンベルトとジョッキーシフト仕様。クラッチはオーナーの好みでアクションも見た目もやさしいロッカータイプになりました。
ショベルタイプの大きなプライマリーケースはいかにもハーレーらしいパーツではあるのですが、軽量コンパクト化と整備性、ベルトなのに荒々しいと形容される雰囲気重視のチョッパーでは大概外されてしまうパーツの代表ですね。



アクセントでスプリングのみクロームの74タイプスプリンガーフォーク。それにリムのみクロームを残したベイツタイプ・ヘッドライトの組み合わせ。ドラムブレーキは現代の交通事情では決して効きは十分ではありませんが21インチホイールの細さを強調できる要因になっています。またシックスモーターサイクルではショベルまでは現代的なパターンのタイヤをチョイスすることが多いです。 余白 プレーンなフラットフェンダーにオールドスタイルのストップライト、通称デュオグライドタイプライトを斜めに埋め込み加工。シンプルなスタイルのライトなので個性を主張しすぎることもなくフェンダーに溶け込ますことができます。シッシバーはビルダーの個性が爆発するポイントですが、パイプを山型に曲げただけの飾り気のないストレートなフォルムが却ってシックスモーターサイクルのスタイルになっています。

        AUG.2005