1-NOS・スポーツスタータンク
2-乾式クラッチ変更
3-
S&Sキャブレター
4-1.5インチ・オープンプライマリー
5-ONE OFF・マフラー
6-ONE OFF・ソロシート
7-フリスコ・リアフェンダー
8-キャットテールライト
9-バレルタイプ・オイルタンク
10-キャスト・ホイール



今回はシックスモーターサイクル期待の新人ビルダーM君が本格的に手掛けた1台です。このM君、まだ若いのにアメリカのハーレーダビットソン・メカニック養成スクールを主席ではないにしろ正式に卒業した、ハーレーディラー入社にあたっての履歴書的には申し分ない経歴の持ち主なのですが、新しいハーレーには全く興味がないという致命的な嗜好的欠陥があり、当店のような個人経営の三流ショップに安月給で文句を垂れつつも身を置くことになった悲劇の人物であります。これからも彼の製作したチョッパーが続々紹介されていきますので、よろしくお願いしますね。
さて、そんな彼の得意技を申し上げますと「不人気車をそれなりにカッコ良く仕上げる。」になります。ハーレーの車暦の中でも「デザイン的にもちょっと、それはないだろう。」と突っ込みが入りそうな醜くて、いわゆるイケてるハーレー乗りには見向きもされなかった不人気車が彼にかかると「こんな手があったのか。」という手法で見事に生まれ変わります。資本力的に安いベース車両しか仕入れることができないシックスモーターサイクルには実にありがたい才能であります。
今回のベースもショベルとの転換期に生産された4速エヴォモーターです。モーター以外はショベルとそうは変わらない仕様なのですが、実際買うとすれば普通はショベルを選ぶだろうし、エヴォとは言っても低年式なので敬遠されがちなハーレーで、なにより知名度がとてつもなく低いのでスタイルは良いのに不人気車の仲間入りをしている不運な星の下に生まれたハーレーなんです。
ノーマルはファットボブ・スタイルなので、チョッパーライクにがらりと軽量・コンパクト化、最近は誰にも見向きもされない80年代風な味付けで(ベース車両と年式的には合ってますね。)フリスコ・フェンダーを手始めにアメリカ帰りのセンスで仕上げてあります。詳細は下を参照してくださいね。



きれいな曲線を描くハンドルは同じく80年代初期ローライダーの純正品。それをショベルFLHの渋いライザーで固定しています。後はスイッチ類を小型化しただけで、がらりとノーマルの重たいイメージから解放され、ちょいと旧い雰囲気にしてくれます。 余白 タンクは社外品ではクオリティが低いので純正品のものを取り寄せ、フレームラインに添って、ややハイマウントぎみに取付け。タンクカラーはオーナーの好みで同時製作されていたパンヘッドに取り付けてあった、79年式のスポーツスター純正パターンに似せてペイントしました。



キャブレターはS&SのスーパーEにファンネル。マフラーは、かなり短いONE・OFFのドラックパイプをブラックペイント。鈍く光るアルミ製のバレルタイプ・タンクは80〜90年代に流行したもので、今回の主旨にはドンピシャな逸品です。 余白 内部構造むき出しの1.5インチのオープン・ベルトにまっすぐに延びたジョッキーシフト・レバーが良い雰囲気ですね。エヴォともなればそう簡単には装着出来ないのですがこの4速タイプならショベルと機構は同じなので手間いらずにできます。



真っ白なシートは安物のソロタイプのベースのみを使い、新たに縦ステッチの入ったデザインをONE・OFFで製作しました。基本色はブラックなのでポイントカラーとしてこのシートを始めグリップなどのラバー関係はホワイトでまとめてみました。 余白 今回のカスタムのキモとでも呼べるイースト・アーバン製のかなり薄いフリスコ・フェンダーにストラットの組み合わせ。それに装着されるのは愛嬌のある表情をしているワイルド・キャットテール。キッチュな雰囲気がたまらなくカッコイイですねぇ。

SEP.2005