1-マスタングタンク加工
2-ノーマルRフェンダー加工
3-ONE OFF マフラー
4-ONE OFF ソロシート
5-セパレート・ハンドル
6-S&Sキャブ・ロングファンネル
7-Fー19インチ・インベーダー
8-Rー18インチ・デッシュ
9-NOS搭載



生っ粋のFXR乗りである当店のおバカな「バイトF」が自分自身で製作したこのバイクには実は大きな声では言えない秘密があります。
最初期タイプのFXLR・ローライダーカスタムベースである今回のコンセプトは、ずばり「ドラッグレース」。一説にはデザイン重視の次期モデルのダイナシリーズよりも性能が優れているという話もあるぐらいのFXRフレームを使用したこのハーレーには直球勝負のカスタムといえるでしょう。しかもただイメージだけを安易に追い求めるのではなく、システム的にもNOS(ナイトロ・オキサイト・システム)を搭載。ドラックレースの記事や広告でもお馴染みのこのシステムはいとも簡単にエンジン出力を上げることのできる、いかにもアメリカ的なチューニングパーツであります。このネーミングからニトロ燃料を使用するものだと思われがちですが、実際には麻酔ガスに近い成分となる。
とにかく、細かいことは関係なく直線番長の性能のみを追い求め、その核になるNOSを中心にカスタムが進められ、一切の虚飾を排した実にシンプルで荒々しいフォルムにはバイク自身は何も言わずとも(当たり前だ)、見る人全てにこのバイクの主張が強烈に伝わってくるはずです。
と、ここまで紹介しておいてどうかとは思いますが、ここで冒頭で述べた秘密をおバカな「バイトF」の意志を無視してやはり公開することにしましょう。え〜、実を申しますとこのNOSまだ一度も使用したことがございません!ビレットボンベには一滴たりとも液化ガスは注入されたことすらなく、本来の性能を全く発揮しておりません。その理由を「バイトF」に問いただしてみると彼の発言は驚くべきものでした。「え〜と、え〜と、やっぱり強烈な加速って恐いじゃないですか。僕にはとても無理ですよ〜。」唖然、このハーレーは全くのハッタリバイクだったのです。これで良いのかシックス・モーターサイクル!一流カスタム・ショップとしてのゴールへの道は限り無く遠く険しく感じられる今日この頃です。



角パイプフレームに合わせてマスタングタンク裏面を加工。
当店の倉庫にあったメーカー不明のセパレート・ハンドルはビックツイン・ハーレーとの組み合わせによって、このバイクのコンセプトが一目で理解できるイメージ重視のパーツで、鈍く光るビレットパーツが雰囲気アップに貢献しています。
余白 黒と銀の渋いカラーのエンジン横に平行にとり回された短い黒塗りのターンアウト・マフラーは中古のパイプを切った貼ったしたONE・OFFモノ。音量はまあ、見た目のとおりのサウンドです。
ドラックレースのイメージを意識して、S&Sキャブには操作の邪魔になるんじゃないかと心配するほどに長いファンネルが取り付けられています。



今回のカスタムのキモ、エーデルブロック製のNOS。電装ボックスとボンベなどがメインのパーツ数の少ないシンプルなキットで、本来の使用方法なら強烈な加速を体感できる、素晴らしい装置です。 余白 フロントホィールはデッドストックの19インチ・インベーダータイプをチョイス。ブラック・パウダーコートで仕上げられ、シンプルな穴開きディスクと共にレーシーな雰囲気が醸し出されています。



フロントに合わせてリアホィールは真っ黒に塗られた、18インチ・デッシュタイプ。ショートフェンダーはノーマルをカットした後、取り付け位置を低めに設定して同色のトゥームストーンブレーキランプをセレクト。 余白 NOSの強力な加速には、とてもお尻をホールドできそうにないツルリとしたソロシート。このあたりのセレクトが本気仕様にはちょいとなれない街乗り用バイクであることを物語っていますね。

        DEC.2006