1-リジッド・フレーム
2-74レプリカ・スプリンガー
3-Shix製トップブリッジ
4-FLタイプライザー
5-ピーナッツ・タンク
6-フラット・フェンダー
7-オープンベルトキット
8-ONE OFF シート
9-ONE OFF マフラー
10-ロッカークラッチ
11-ジョッキーシフト
12-ラウンドタイプ・オイルタンク
13-F.ドラムブレーキ
14-R,PMブレーキ
15-SUキャブ



オーナーは本場のチョッパーを直接体感したいがため単身渡米、WCCにてキラ星のごときチョッパーを目の当たりにした行動力のある人物であります。しかし何故か、WCCで有名なハイテック・チョッパーではなくマイナー気味のオールド・スクール・チョッパーに強く感化されてきたところが、シックス・モーターサイクルのお客ならではと言った感じではあります。今回は特に彼が強く惹かれたというパンヘッド・チョッパーをリスペクトしましてペイントを特別に再現してみました。
ショベルエンジンは造型など雰囲気がパンやナックルの旧車に近く、また旧車に比べて金銭的にも安価に抑えることができるので「ショベリジ」のネーミングでも有名でたいへん人気があります。もっとも最近はホットロッドイメージの4速スイングアーム車ベースのカスタムに押され気味ではありますが、リジッドフレームのシンプルさは、やはりカッコイイものです。
ベース車両は以前私が所有していたストリップ・スタイルのFLHなので、オーナーの理想とするオールド・スクール・チョッパーにするべくリジッド化や74スプリンガー装着など大幅にカスタムされました。方向性としては荒々しいワイルドなイメージではなく、ノスタルジックだけれど創りはキレイなカリフォルニア・スタイルをベースにしつつもシックス・モーターサイクルらしさを表現しています。
例えば、小さなパーツも丁寧な造作で仕上げ、アメリカ流のクローム表現も控えめに、布巻き配線もラフなイメージにならぬように神経を使い、細かな作業の集大成で全体の構成を練っていきます。
パーツの造作も数も大幅にカットされて無駄がなくなり、ショベル・チョッパーの面白味を全面に出します。コンセプトの過程が感じとれるように仕上げることでチョッパーの見え方が全く違うようになる。だから、このチョッパーはよくあるスタイルのはずなのに、こっちのほうが断然面白いと感じさせることが出来る。そう思えるようにシックス・モーターサイクル流に努めました。



さっぱり売れない当店発案の万能スプリンガー用・トップブリッジに2ピースハンドル用純正FLライザーをセット。それにブラックペイントされた程良い高さのエイプバー・ハンドルの組み合わせ。スモール・スイッチキットがすっきりとまとまっています。 余白 ピーナッツ・タンクは渡米したオーナーの心に焼き付いた一台ことWCCのパン・チョッパーのペイントを参考にアレンジを施して表現。ゴールドのフチドリは毎度お馴染みペインター「コンチ」の手によるもの。旧き良き時代をモチーフにしたデザインです。



エンジンはサンドブラスト仕上げで、ラウンドタイプ・オイルタンクも半ツヤブラックにペイント。キャブレターはSUを選択。エンドラインが一直線に揃えられたドラッグ・マフラーはONE・OFFモノ。シンプルなミッド・ステップも注目です。 余白 ショベル・チョッパーなら定番の1.5インチ・オープンベルト仕様にガラスノブが付いたジョッキー・システム。オーナーの希望でクラッチはハンドシフトの旧車で使われていたロッカー・クラッチを選択。バネの仕組みで任意の位置で固定できるので、気分的には随分と楽です。



フロントは社外のブラック・74スプリンガーに交換され小型のドラムブレーキが良い雰囲気です。効きの程は全く期待してはいけませんけどね。低めに取り付けた4.5インチのベイツ・タイプライトと19インチリムが軽快さを演出。タイヤは19インチですがクラシックなパターンのファイアストーンを履くことでノスタルジックさが強く出ています。 余白 リジッド化されたフレームには5インチのフラット・フェンダーとワンオフ・シッシバーの組み合わせ。程よい厚みのシンプルなコブラシートも定番ではありますが、やはりカッコイイ。リアのブレーキは飾り程度の意味しかないフロントに比べて制動力の強いPM社製のディスク・システム。賛否両論あるセットアップですが、これは良しとします。解りますよね。

        MAY.2007