1-35@ナローフォーク
2-4.5インチ・ベイツタイプ・ライト
3-ER製エイプハンドル
4-グリメカマスター
5-EVOブレーキ
6-2.2ガロン・マスタングタンク
7-ソロシート(メーカー不明)
8-パウコ製グースマフラー加工
9-3インチ・オープンベルトキット
10-ノン・ロッカークラッチ
11-ジョッキーシフト
12-ONE OFFオイルタンク
13-リアフェンダー加工
14-サイドナンバー造作
15-Bキャブ



オーナーの持ち込み依頼で製作しました件の4速フレームショベル・チョッパーになります。今回はオーナーの意向で低予算でのカスタムプランとなりましたが(当店では、ほとんど全てそうです。)今回特に元がFLベースということもあり、基本的なロー&ナロー・スタイルをカタチ創るために限られた金額のほとんどを注ぎ込み、細かなパーツなどはベース車両から流用、もしくは当店の在庫パーツを使用するという手法を取りました。
ところでオーナーはツインカムからの転び組であるのですが、ショベルをカスタムするとなるとオーナーの思い描くカスタムプランは彼に限らず、皆さんおおむね旧車の雰囲気をイメージされます。確かにショベルエンジンは基本設計がスポ−ツを含め50年代と古く、円形のシリンダーや掘削機のアンカーのようなロッカーカバーなどの造型が旧車の近い雰囲気がありますが、その他の車体構成部品は時流に乗り、後年式になるにつれてだんだんと近代的なデザインに変化しています。
マニアックな私的には、この年式のデザインもなかなか味わい深いものがあると思えるのですが、ストレートなイメージ重視の若いチョッパー乗りには、ダサいガラクタとしかみなされずに躊躇なく廃棄される悲しい運命です。そのような訳で当店の倉庫にはその手のパーツばかりが溜まり、よく雑誌で一流ショップの製作記事で使われるカッコ良い言い回し「倉庫の隅で転がっていたパーツを使っただけ。」と表現されるが、そんなパーツは常に「いにしえのお宝パーツ」である、などといった芸当は皆無で、まったくもって甲斐性無しのシックス・モーターサイクルの倉庫では正真正銘のジャンクパーツしか提供できない情けない台所事情であります。
今回特にベース車両が年式的にショベル末期の個体なので、オーナーの思い描くカスタムイメージに流用できるパーツが少なく、豊潤な予算で思うがままにパーツを取っ替えられたり、ワンオフ出来るならばともかく、とても限られた予算で平均以上の仕上げとなりますと、ここはひとつ「妥協とパッチモン(大阪弁で偽物のことです。)を上手く使う。」という荒技でいかせて頂きました。
例えば、ワイドグライドなフロント廻りをナローフォルムに変化させるべく使うは、以前カスタムついでに捨てて行ったEVOブレ−キが使える不人気・後期型35@フォークをサンブラ処理でオールドレーサー風にとか、ファットなリア廻りをナローフォルムに変化させるべく使うは、YAHOO!オークションでも落札されないEVOスポのフロントフェンダーを流用して、いにしえのサイクル・フェンダーのようになど、涙ぐましく、そして在庫処理を兼ねたアプローチでサクサクっと、このチョッパーを完成させました。そのような憐憫のこもった視点で改めてこのチョッパーを観察してみると、また考え方が違ってはきませんか。お願いします。



ER製エイプバー・ハンドルに、FX系のノーマルライザーと当店定番のグリメカキットの組み合わせ。スイッチ類はエンジン横に設定しましたので、ハンドル廻りはすっきりと仕上がっています。 余白 加工無しの2.2ガロン・マスタングタンク。もとのデザインが秀逸なタンクですので単色のキャンディ・ルートピア・カラーで仕上げ、フォルムの良さを引き立てさせます。



パウコ製のグース・パイプマフラーは前後のバランスを整えるためにショートカット加工。バレルタイプのオイルタンクはバイト君の練習品。バッテリーは小型のものに変更してエンジン前に移設。リアキャリパーはノーマルの通称ブタ鼻ブレーキをそのまま流用。 余白 唯一、マニアを唸らせるパーツ、S&S社のスーパーBキャブをチョイス。セッティングがシビアなキャブで、SUキャブとは違って荒っぽいイメージがあり、これを選べるか否かではカスタムの雰囲気がまったく変化するバンカラなキャブです。



かなり、幅広の3インチオープンベルト・キットにワンオフのミッドステップを取り付け。針金のようなノンロッカークラッチはパウコ製のシンプルでとてもカッコイイパーツ。高年式ゆえのロータリー式ジョッキーシフトなんですが、近頃はこのシステムがたいへん多く以前のようなワルっぽいマイノリティなイメージは薄れてしまいました。 余白 4速フレームチョッパーでは定番スタイルのタイヤ剥き出しのとても小さなリア・フェンダー。スポーツスターのフロント・フェンダーを流用してスチールのステーで固定。左右の位置がズレているのは反対側のブタ鼻ブレーキのための逃げ確保の結果。うーんとてもアグリーな造作です。ナンバーと共にサイドマウントされたテ−ルランプはブルードット入りのお洒落さん。

        JUN.2007