1-純正スプリンガー
2-J・D製ローダウンカラーキット
3-7inch・ライザー
4-ドラッグバー
5-純正スポーツスター・タンク
6-CCI製フェンダー加工
7-ティムストーン・ランプ
8-ONE OFF シート
9-ONE OFF マフラー
10-ER製ミッドコントロール
11-SUキャブ
12-キャンディカラーペイント



今回紹介するEVOベースのCOOLなチョッパーは、画面から得られるイメージより格段に手間の多い作業で完成に至っております。まぁ、それと言うのもオーナーのベース車両選択ミス?いやいや、そうともばかりは言い切れません。皆さんも初めてのハーレー購入の折りには、バイクの価格としてはたいへん高価ですので車種選びには後悔のないように慎重になり「一生これに乗るんだ!」ってな気負いも含めてセレクトされたはずです。
しかし、人の心とはいつの世も移ろい変わりやすいもの。あんなに納得ずくで手に入れたはずなのに、時間と共にハーレーという特別だった存在が、いつしか何でもない日常の一部になり、ついハーレーに対する気持ちがニュートラルになるその瞬間、あの「悪魔の囁き」が聞こえるのです。そう、「カスタムしたい…」と。
皆さんも一度や二度は聞こえたことがあるであろうこの呪いにも似た言霊の影響で人生を狂わせた人のなんと多いことか。これに対抗するにはデーモン族に体を乗っ取られても心は人のままで耐えれるデビルマンなみの精神力が要求されますが、悲しいかなヒーローになれるのは常に一握りの英雄好漢のみ、我々端役の存在は身も心も地獄の業火に焼かれることになるのです。
さて、やけに前置きが長くなってしまいましたが、この度のオーナーに囁かれた呪詛は次のようなものだったそうです。「スプリンガーが欲しい…」そう、タイトルのモデル名を見てピンときた人もいるかと思いますが彼の購入したモデルはヘリテイジ・ソフテイル。これはいけません!よりによって彼に取り憑いたのはアモンなみに凶悪なデーモンだったのです。
スプリンガーといえば、チョッパー好きなら一度は挑戦してみたいビッグネームド・モンスター。しかし、その価格のハイレベルさゆえに数々の勇者が屍をさらすことになった手強い存在です。もはや、この上のレベルといえば「旧車に乗り換えたい。」という究極の選択しかありません。そんな半デーモンであったオーナーの背中を押し地獄へと誘ったのは我がシックス・モーターサイクルのこんな言葉でありました。
「ふ〜ん、君がそんなチョッパーに憧れるなら、ちょうど今なら在庫でスプリンガーがあるよ。しかもデキの良い純製品。君ならカスタム次いでに格安で取り付けてもいいよ。」不安定な精神状態であったオーナーに囁かれたなんと巧妙で甘美な悪魔の言葉。どんなヒーローでもダークサイドに落ちてしまうパワーを秘めています。まさにハーレー業界の策士孔明と異名をとる当ショップ。これなら、たとえBF団の十傑衆といえども敵ではありません。
そんな彼ですから、カスタムメニューはこちらの思うがまま。あえて、フロントはショートカットせずにジャパンドラッグ製のローダウンキットを用いて、リアもリジッドではなくサスを活かしたままローダウン、やりすぎない範囲で最上のバランスを探ります。その他、細かい部分もワンオフパーツを効果的に使い完成度を高めます。カラーリングもメインの外装の鮮やかなブルーメタリック以外はシックなブラックでまとめ、タイヤ・シートなどにホワイトカラーを使って落ち着いた高級感のあるイメージを演出しました。極力、ガレージビルド的な荒さは押さえ、しっかりと丁寧に仕上げることに勤めています。EVOベースならばこれは大事なポイントです。



クロームの7インチライザーにブラックペイントされたドラッグバー・ハンドルのセットアップ。同色に合わせたグリメカのレバーとスモール・スイッチキットがすっきりとまとまっています。アクセントとなるホワイトグリップが良い雰囲気です。 余白 純正のスポーツスター・タンクはキャンディーブルーをベースにギターのボカシペイントを思わせる深みのあるダークブルーのパターン。それに合わさるペインター「コンチ」のホワイトピンストライプと控えめなライトブルーのフチドリラインがお洒落です。



エンジンはノーマルのクロームとブラックで、オイルタンクもブラックにペイント。キャブレターはSUを選択。かなりショートタイプのショットガン・マフラーはONE・OFFモノのドラッグパイプ。マフラーだけは吊るしの製品で良いと考えているのに、毎度なぜか製作してしまうのが目下の悩みです。 余白 イージーライダース製のミッド・コントロールキットを装着。スプリンガー取り付けとこれで、もはやヘリテイジ・ソフテイルの存在理由が消滅している部分であります。ステップなどのラバー類はホワイトカラーを選択していますが、すぐに黒く汚れてしまうのが難点ですね。



ソフテイルフレームとスプリンガーの組み合わせに小振りなスポーツ・スタータンク。これに普通なら安易にフラット・フェンダーというパターンですが、ここは強引にこちらの意見をゴリ押し、もとい平和的話し合いの結果タイヤへの被さり具合の良いCCI製のフェンダーをショートカットして装着。 余白 当店の主流であったデュオテールに変わって、これから密かに流行らせようと画策するティムストーン・テールランプを取り付けました。昨今、カスタム界ではすっかりナリを潜めていましたが、これからはティムストーンかルーカスタイプで決まりでしょう。

        APR.2007