1-純正ローライダータンク
2-インディアン・ビンテージタイヤ
3-4.5インチ・ベイツタイプライト
4-スカイハイバーハンドル
5-フェンダーショートカット
6-ONE OFF・ストラット
7-サイドナンバー
8-VLタイプテールランプ
9-1.5インチオープンベルト
10-ジョッキーシフト
11-ノンロッカー・クラッチ
12-純正ポリス・オイルタンク



ベース車両は以前このコーナーで紹介したバイクですが、オーナーの代替わりに合わせてリニューアルという運びになりました。21インチタイヤにファットボブ・フェンダーのスタイルから、スカイハイバーが印象的なチョッパーテイストを効かせたボバースタイルへと変化しています。
ノーマルをイメージさせる16インチタイヤとファットボブ・タンクのせいか大柄な雰囲気があるかもしれませんか、ボディラインからエンブレムをはじめとする装飾パーツなど出っ張り部分を極力廃し、細かな造作や雰囲気作りよりもマクロ的なロー&スリムを協調した構成となっています。
あえて流行りをスルーしたスカイハイバー・ハンドルも車体との高低差を視覚的に強く感じさせローフォルムを印象づける昔ながらのテクニックです。もちろん幅の狭いハンドルでも問題ないのですが、それでは当たり前すぎて面白くないでしょう。現在、王道とされるカッコ良さよりもアマノジャクなちょいハズし的カッコ良さのほうがシックスとしては好みです。むろん、ケースバイケースな面もありえますが。
ただしこの手のハズし技、基本的なところをしっかり理解していないと上手くハズすことが出来ません。直感だけ頼りに事を進めると本人はギリセーフだと考えていても大幅にハズした珍奇なだけのカスタムになってしまいがち。ハズすからには本道を理解する必要があります。その場だけの散在的な知識だけではダメです。きっちりと順序立てた歴史から学ぶこと。そうすれば、あやふやなイメージが点と点で結べるようになり最終的に線として理解できるようになれば、個人の付け焼き刃な発想よりも、100年に及ぶ先人達の英知を取り入れることの出来た、すばらしいカスタムがプランが出来ることでしょう。
自分の愛車がエヴォやツインカムだから関係ないと思っていてはいけませんよ。エヴォやツインカムだからこそ大事なのです。あなたの愛車が旧車の延長線上にあることを忘れてはいけません。現在はオールドイメージで成り立っているハーレーダビットソン・デザインなので極論すれば、ハズれ無しにはいじれません。何事も勉強、向上心です。我々はインスピレーションだけで勝負できる天才ではありませんからね。
話しが堅くなってしまいましたので、解説に戻りましょう。サス付きとなれば話題になるのがリア廻りの処理なんですが、スイングアーム車の場合ここの解釈が良ければその他の出来は関係ないと暴言を吐けるぐらい難しいものです。却ってリジッド車を手本に考えると出来の悪いモノにしかならないので、スイングアーム車の良さを活かしたアプローチで攻略すれば間違いないようです。そう考えればビックツイン及びスポーツスター共にショベルシリーズのデザインは実に参考になります。今回はその種類とはチト離れますが、結構面白いものが出来ました。
サイドマウント・ライトゆえフォルムがはっきりと解ると思いますが、長からず短すぎず薄すぎずの3拍子揃った会心の出来ではないでしょうか。当店としても、これをベースに色々楽しめそうです。
最後にカラーは旧車イメージのライトグリーン。通称アマガエル。塗装屋泣かせのツヤを微妙に抑えたノスタルジック・クリアー仕上げです。



日本の誇るパーツメーカー・デイトナ製の2インチ・ラウンドライザーと、その存在を誇張するかのようなそびえ立つ、パウコ製スカイハイバー・ハンドル。どちらもボバースタイルでは敬遠されるパーツですが、シックスとしてはこのバイクはチョッパー・カテゴリーに分類していますので、もちろんクリア。また、あえて旧車好きなら最重視されるヤレた雰囲気を最初から意識的に出さないように製作しています。 余白 純正ローライダー3.5ガロンタンクはワイルドなスポーティさを表現すべくメーターダッシュを取り外し、必要最低限だけのパーツで構成します。シンプルなカラーと相まって半完成状態のようなタンクの雰囲気があります。現状ではタンク・ハンドル・シートに比べて錆だらけのフレーム・三つ又が違和感を与えますが、このチグハグさは月日を経ることによって緩和される予定です。ライトグリーン系は退色が早いので年月経過が楽しみ。



大きなスクエア・スタイルのオイルタンクは前回から引き続き使用のポリスタイプでロゴマークはこの部分だけにとどめ、アイキャッチ的な役割も果たしています。SUキャブ、エンジン廻りの細かな仕様は以前のままです。
ブラックペイントされたマフラーはドラッグパイプの先端をカットしてターンアウトスタイルに変更。長くもなく短すぎずの見た目の調整には毎度のことながら気を使います。
余白 FX純正ペダルを流用したノンロッカークラッチ、オープンベルト・プライマリーの隙間から取り出されたステップはスチールベースを製作、ミッションにボルト止めしたものに、FXのマフラー側ステップパーツを組み合わせた造作。必要最小限のパーツ構成なので実にシンプルな仕上がりになります。
運転者からはタンクのせいで視認性がまったく良くないミニメーターの装着はオーナーの希望です。



有るのか無いのかはっきりしないチビフェンダーはさておくとして、きっちりと造り込んだスイングアーム車のシンプルなフェンダーカスタムとしてはトップクラスにランキングされるのではないかと豪語するリア廻りの処理。
スチール板から切り出したフェンダー・ストラットが成功のカギですが、アイディアとしては20年ほど前の手法を参考にシックス流にまとめました。
今回は一体感を出すために社外のオールドスタイルのフェンダーをカットしたものにストラットを直接溶接してカラーも同色のライムグリーンにペイントしてあります。
余白 映画の影響かカスタム・チョッパーのほとんどに取り入れられているんじゃないかと思われるサイドマウント・スタイル。リア廻りをすっきり見せるためと、そのやや違法性の悪のイメージが若者に受けるのでしょうが、彼等にはナンバーはともかくテールライトは邪魔ものとしか認識されないのでしょうか?好き嫌いはともかく、あまりに安易な発想が多いような気がしますが、これはこれでカッコ良いのもまた事実ですから困ります。
子供の描いたようなパターンのタイヤはインディアン・ビンテージというニューフェイスをチョイスしました。


        MAR.2008