1-WGフォーク
2-ベルリンガー・キャリパー
3-5.5インチ・ベイツタイプライト
4-パウコ・3インチライザー
5-エイプハンガー
6-スポタン・ハイマウント
7-ファットボブ・リアフェンダー
8-ストラット加工
9-1.5インチオープンベルト
10-ジョッキーシフト
11-ノンロッカー・クラッチ
12-11インチ・ショートサス
13-パウコ・グースドラッグパイプ
14-ミッドステップ加工
15-ONE OFF・タックロールシート


近頃のファッションミックスのような雑誌で画一的なノリを覚え初めてバイクに乗り始めた若者には、理解不可能なカッコ良さだけを目一杯、詰め込んだ大人の渋さ溢れるスイングアーム・チョッパーになります。
いわゆる、流行りという経済効果の向上を目指した商業論理のセオリーに背を向けたアンチ・ファッションカスタム、反商業的・プロレタリア・チョッパーという訳です。現状のハーレー業界の恩恵にどっぷりと腰まで浸かりながらも、それは一時の通過的繁栄に過ぎないのではないかとシックス・モーターサイクルが危機感を抱いて原典復帰、王道復古、捲土重来の一念込めた会心の一台になります。（多分に偏った過度の思い込み有り。）
純正フレームのショベルヘッド・カスタムで全体的に手を加えながら、スタイル的にもパーツの選択にもこれほど流行りの要素を排除したカスタムも珍しいのではないでしょうか。従来からある普通に手に入る市販のカスタムパーツ、カスタム方法も最小限の加工のみという基本的なモノとし、いわゆる本当に真面目な仕上げとなっています。現在の業界で尊ばれるダサカッコ良さもアウトロー的ワルさもありません。
しかし、このカスタムが出来るまでは遠く険しい道のりがありました。けっして安価とは言えないカスタム・チョッパー製作にこのような主旨を盛り込んだカスタムなど最近の洗脳された若い人がオーダーする訳もなく、またあってもらってはこちらの意図を崩されてしまうので困ります。そんな訳で流行りに左右されない、（したくても年齢的にも若造の真似事など今更出来ない）自分のスタイルが確立されているロマンスグレーな十分に大人の方が当店に現れるまで待たねばなりませんでした。この度数奇な縁で我々が待ち望んでいたオーナーに出会うことができ、こちらの切なる思いを打ち明け、納得して頂いた上での貴重なカスタム製作となりました。今回は仕様については多くを語りませんし、パッと見たままが全てでそれだけで十分です。
このチョッパーを見て、「ハズしや手の込んだ加工やいにしえのお宝パーツは無いの？物足りネー！」と思った君、あなたの頭の中身はガッチガチに洗脳されたいるぞ。自分個人の趣味嗜好のつもりでも実際は違う、一出版社の雑誌が意図的に仕組んだカッコ良さだけしかないと摺り込みされてはいませんか。ハーレーカスタムの歴史はそれこそ半世紀以上に渡ってカタチ造られてきました。もっとワールドワイドな多様なカッコ良さもあるのだということを再認識しようではありませんか。


パウコ製3インチ・ライザーにエイプハンガー・ハンドルと小細工無しの組み合わせ。ハンドルと同じくクローム処理された、トリプルツリーと5.5インチサイズのライトも含め、反対にグリメカ・ブレーキマスターや小型スイッチ及びグリップのブラックカラーとのコントラストが際立って見えます。 余白 スポーツスター・タンクはバランス良くフレーム前部にハイマウントされ、漆のようなツヤのある漆黒の表面には渋い色合いのフレイムパターンが描かれます。写真の関係上表現出来ませんでしたが、タンクのトップにも同じくフレイムが施されています。


半ツヤ処理のアルミ地肌エンジンはSUキャブと曲がり具合が気持ち良いグース・ドラッグパイプの昔ながらのオーソドックスな組み合わせ。キックオンリーなのでセルは取り外され替わりにバッテリー搭載型のスクエア馬蹄タイプのオイルタンクを取り付けます。ミッド・ステップは当店のいつもの加工方法を採用したもの。 余白 1.5インチ・オープンベルト仕様にジョッキーシフト、様々なパーツを流用したONE OFFのノンロッカーシステムを採用。オープンベルトなんですが、当店ではカスタムついでの整備時にプライマリーケース再取り付けの手間をスルーしてしまう傾向があるのでこのようなパターンが多いです。コイルは趣向を変えてエンジンセンター部分に移設。


リアフェンダーは純正のストラットをショートカットしたものをベースにして社外のボブフェンダーをやや短かめ尚かつエンドをツンと跳ね上げるような角度に合わせて前方に廻して取り付け。昔ながらの手法とはいえダックテイルのような曲線が美しく表現され、フェンダーの存在感が誇張されてカッコ良いでしょう。 余白 ルーカスタイプのテールライトはビリーのチョッパーの例を上げるまでもなくサイドマウント。横ステッチの施された厚みのあるソロシートはフレームとフェンダーにしっかりと密着するようにONE OFFしたモノ。一応、二人乗りを想定してパッセンジャー・ステップを取り付けてあります。タイヤはパターンが特徴的なコンチネンタルを使用。


　　　　　　　　MAY.2008