1-F21インチ/黒リム/ステンレス・スポーク

2-R18インチ/黒ディッシュホイール

3-35mmナローフォーク/ローダウン

4-4.5インチ・ベイツタイプライト

5-ロボハン/ノーマルライザー/グリメカマスター

6-ワンオフ・ドラッグパイプ/リジッドバー

7-スポタン・フラット加工/燃力コック移動

8-ワンオフ・シングルコブラシート

9-リブフェンダー/シッシバー/サイドナンバー

10-ノンロッカー・ジョッキー/ミッドステップ

11-5スピードキックキット

12-S&S社Eキャブ/ファンネル


87年式という低年式ゆえ値段の安いソフテイルをベースに、外装一式と特に完成時の見栄えを考慮してエンジンペイントをメインに手を加え、「シックス・モーターサイクルは、このようなスタイルも造れるんですよ。ど真ん中のチョッパーばかりじゃないんだぞ。」と露骨に守備範囲の広さのアピールを兼ね新規顧客の獲得を図った一台であります。
エボソフテイルも初期のものになると20年選手、雨風にさらされるバイクでは相応のヤレもといボロな状態のものがほとんどで、エボは旧車やショベルとは違いデザイン的にも材質的にもヤレた感を表現的にプラス方向にはスライドしがたいので、年式劣化で白サビがクリア層の下に発生したアルミパーツなど、いわゆる良い雰囲気など全く感じさせず、ただみすぼらしさだけが強く出てしまいけっしてカッコ良くなりません。
もちろん、そうゆう状態ですとサビなどの見た目だけではなく、ガスケットの劣化によるオイルの滲みなどエンジン関係も年式相応のくたびれ具合なので当店では腰上オーバーホールのついでに取り外したパーツなどはサンドブラストにて表面処理の後、ペイントを施し特別な意向がないかぎり見栄えを良くすることにしています。
今回は特にエンジンはもちろんフレームからホイールまでメインをブラックペイント処理にしてクロームはポイントカラー程度に抑え視覚的にぐっと締まったイメージを表現、スタイルもシックスにはめずらしくガソリンタンクも薄く加工して取り付け位置も低め、いわゆる猫科のハンターのような野性味を感じさせる低く構えたロー&ロングな雰囲気を演出。誰かさんがタンクの加工などしなくて良い、と言っていたような気がしないでもないですが、第一印象がカッコ良く、それに素材感やディティルが合っていれば良しとするイイ加減さがシックスの醍醐味でもありますからね。


フロント廻りはスポーティな雰囲気を感じさせるエヴォ用のナローグライドフォークに取り替え、エイボンタイヤを履かせた21インチホイールを合わせています。ハンドルは純正ライザー共にブラックペイントされ、フォルムを修正したZバーとの組み合わせ。
ブレーキレバーは毎度おなじみのグリメカ製で、クラッチレバーもスイッチもないシンプルな仕様となっています。

スポーツスタータンクの下半分をバッサリと切り取り、鋭角なイメージに仕立てられたタンク。序文でも触れましたが、実にこれまでのシックスらしからぬ加工であります。営業方針変更のためなのか、シックス番頭のこれからの動向が興味深いですよ。
カラーリングはブラックボディに映えるキャンディオレンジにミスターコンチナンタルの手によるトライバル模様とレタリングを施しました。


腰上オーバーホールついでに、シリンダーより上は全てブラックペイントされたエンジン廻り。しっとりと濡れたような艶のある黒と鈍く光る金属部分との組み合わせが実にエロいです。
キャブは今年50周年を迎えたS&SのEキャブにファンネルを選択。
マフラーはワンオフのショート・ドラッグパイプをエンジンと同じくブラックで仕上げました。

エボでも、もはや珍しくなくなったジョッキーシフト。最近ではチョッパーでフットクラッチのままなら反対に理由が必要なくらいの勢いです。クラッチペダルはパウコ社のモノをベースに取り付け部分を加工しています。
セル付きなのでプライマリーカバーをそのまま残してあるのでシフトレバーの取り出しスペースがたいへん狭く、レバーの取り付けに苦心の跡が感じられますね。


ソロシートの下から伸びるように取り回された、リブ付きのサイクルフェンダーはタンクと同じくキャンディオレンジにペイントされブラックずくめの車体の中でその存在感を強調しています。
シンプルで美しいアールを描くシッシバーはワンオフで製作、クローム処理されます。バーにサイドマウントされたブレーキライトはスクエアなデザインのオールドカーのリプロものをチョイス。

今回一番のキモはこのブラックペイントされたフラットなデザインのディッシュホイール。ホイールは二輪車というだけあってバイクのイメージ創り大きな影響力があり、このあっさりとしたホイールは装飾性を廃したあまりにもシンプルさゆえ、スピードレコードレース車をイメージさせるようで、機能的でストイックな存在感があり、これだけで取り付けられた車輌のコンセプトを雄弁に語ってくれる必殺のパーツであります。

JUL .2008