1-スプリンガーカット/クローム-ブラック
2-7インチオフセットライザー
3-ドラッグバー/グリメカブレーキマスター
4-マスタングタンク
5-ワンオフ・フィッシュテイルマフラー
6-ワンオフ・ダイヤモンドステッチシート
7-リブフェンダー/デュオテール
8-ワンオフ・シッシバー
9-S&SーEキャブ
10-Fork-エアクリーナーカバー
11-アンドリュース/EV3カム
12-BDL/3インチオープンベルト
13-パウコ/ノンロッカークラッチ
14-5.5インチ-ベイツタイプライト
15-F-エイボンmk2 /リム-ブラック
16-R-コッカーダブルリボン /リム-ブラック


パッと見、シックスお得意のスタイルなのですが、今回はオーナーの趣味が色濃く反映されているため、やや異色な雰囲気が漂うカスタムに仕上がっているソフテイル・チョッパーが2009年最初のGALLERYとなります。
このソフテイルだけでなく既にショベルのFLHを所有しているハーレー大好きオーナーの車輌持ち込みでのカスタムの依頼だったのですが、チョッパーとしての基本的なスタイルはシックス任せで、ハンドルやマフラーなどを始めとしたちょっと変わったパーツのチョイスはオーナーの熱くたぎるパトスの賜物です。7インチのオフセット・ドッグボーンライザーにドラッグバーハンドル、スパイダーネットのようなデザインの変形ミラー、ミラーのかたちに合わせてフィッシュテイル・マフラーのチップ部分をアール加工。どれもオーナーのイメージを具現化したものです。また、そのほとんどがブラックペイント処理でアメリカンコミックスの悪役のようなダークネスな雰囲気が醸し出されています。
このような個性のキツイパーツを多用する場合、最初から狙ってフロント廻りからフレームまで大掛かりにカスタムされたチョッパーでもない限り、バイクの骨格とでも言うべきフォルムがシンプルでカッコイイものでないと、取って付けたような悪趣味チョッパーと化してしまうので、その辺りのバランスを解っている製作者の微妙なさじ加減が大切です。たとえ、お客様であっても彼らの要望を一方的に応えてばかりいるとあっという間に収拾のつかない事になってしまいがち。それと言うのも大抵のオーナーからしてみればバイクのカスタムなんて、人生の一大事。ここぞとばかりに、あれもしたいこれもしたいと頭の中の妄想が膨らんで冷静な判断が難しくなっているはず。後々になりせっかく大枚をはたいたのに、ちょっとアクが強すぎたと後悔しないためにも、ハーレーのカスタムなんて日常業務の一環ですよ的な経験豊富なプロの意見には素直に従いましょう。私の経験から言ってもそう断言できます。
さて、今回はオーナーは2台目の余裕からか、こちらからは言わずともその辺りは解っていたようで実にスマートにコトを進めることが出来ました。もし、このオーナーの場合これが初めてのハーレーでのカスタムだったら、彼の凝ったモノ好き、普段からMr.ドーナツのフレンチクルーラーが大好きだと豪語するオーナーのこと様々なパーツがネジネジのアダムスファミリー・チョッパーになっていた可能性は捨て切れませんでしたね。
結局、シンプルなカタチほど流行に左右されず飽きのこないものです。シックスが手がけるスタンダード-ソフテイル・チョッパーシリーズ、何台製作しても飽きのこない良いスタイルのチョッパーだと思えますよ。


ブラックとクロームのコンビカラーで、フロントレッグをカットしてローダウンされたスプリンガーとブラックペイントされた7インチのオフセット・ドッグボーンライザーとドラッグバーハンドルのチョッパーライクなセットアップ。
近頃あまり見かけないドッグボーンですが、独特の雰囲気があってやはり良いものですね。 ラバーマウントゆえバイクの押し引きの気持ち悪さはありますが、ここは手前ミソながらシックスゴムがお奨めです。程よい硬さと耐久性の良さが特徴だとスタッフが自慢しておりました。
ちらりと見える漫画の吹きだしコマのようなものが例のスパイダースタイル・ミラーです。 キッチュなデザインのワリには造りの良いミラーで安っぽさは感じられない逸品です。

オーナーの持ち込み車輌がベースだと書きましたが、そのオリジナルカラーがこのシルバーとメタリックブルーの組み合わせで、彼の強い希望でその元色を再現したものです。カスタムするならベースのイメージを残さないようにするのが当たり前のようになっている中、この色が好きだからこのハーレーを買いました的な一本スジの通った考えはアリだと思います。私はこういう拘りには好感がもてますね。
カクカクとした一風変わったロゴはオーナーがレタリングサンプルの中から選んだ書体。やはり、Mr.ドーナツのフレンチクルーラーのカタチと甘さに陶酔している凝ったモン好きのセンスは、世間一般の基準とは多少かけ離れた独特のものだと言えましょう。


どこかで見たコトあるような取り回しの2連フィッシュテイルマフラー。マフラーのエンドチップ部分にはバットウイングのような加工がほどこされ、Fork製の変形エアクリーナーカバーと共にオーナーの好みが強く出ているところです。ロッカーカバーはセンターのみクロームで上下はブラックのサンドイッチカラー。オイルタンクもブラックペイントされメインカラーの挿し色がポイント高し。キックキットも装備されオーナーのヤル気を感じさせます。

キック付きならジョッキーシフトでノンロッカークラッチは当たり前だと言わんばかりの装備。パウコ製のキットを上手く加工して取り付けています。ショベルなら大げさだと思える3インチ幅のオープンベルトもエボなら違和感ありません。ブラックアルマイト処理されたシャレたデザインのフットペグもオーナーの持参品。もちろん、シルクハットを被ったドクロノブも持ち込みで専用品ではないので取り付けに苦労したとスタッフがぼやいてました。


フレームとフェンダーにピッタリと合うようにワンオフされたミニシート。張りのあるカチッとした造作で、ダイヤモンドステッチがバイクの雰囲気に良く似合います。それはともかく、94年式だと言うことが信じられないほどの仕上げの良さが目を引きます。タンクやフェンダーのみならずエンジンやフレームも綺麗に仕上げています。エボチョッパーたるもの、やはりこうでなくてはいけません。

純正ペイントを再現したリブフェンダーにオーナーの好みに反してここだけはストレート加工をほどこしたワンオフシッシバー。見た目、何のへんてつもない棒なので他店なら間違いなくヒネリ加工されたであろうパーツですがシックスはとにかくここはストレートです。ディオテールも普通のモノだったのですが、オーナーの持ち込みのガラスパーツでSTOPサイン付きのモノに変更されました。


                              FEB .2009