1-F/R 16インチ |
さて皆さんは、ロコボーイというネーミングを知っているでしょうか。語源はローカルボーイからきており、要するに地元民(田舎者)といった意味らしいのですが、大陸たるアメリカではそのほとんどがその対象になるはずなのに、メインランドから外れた土地特にハワイの島民たちが、ある時は自嘲的に、またある時は誇らしげに使うという文章を昔の雑誌で読んだ記憶があります。そして、現在ではすっかりその名前が廃れてしまったカスタムスタイル、その名もロコボーイ・スタイルを今回のカスタムの手法として製作しましたが、そういった自虐的なニュアンスも含まれていると思っていただけると、また違った視点でこのカスタムを見れるのではないでしょうか。 |
本来のロコボーイだと、スポーティーさを出すということでXRハンドルやドラッグバーなど幅の詰まったハンドルが多いのですが、女性オーナーだということも踏まえて力を加えやすい、幅広のハンドルをチョイス。ER製でその名も「デュオグライドバー」というちょっとテレがあるネーミングの製品です。スイッチ等はノーマルのスイッチボックスのマスター側だけを残し、そこに集中させるという懐かしい仕様。下手にスイッチを移設するよりラフな感じがしてイイと思いませんか。 |
タンクもロコボーイならノーマルの5ガロンか3.5ガロンを使用するといったイメージがありますが、今回は趣向を変えてマスタングタンクを取り付けました。ただし、あくまでFLイメージなのでワイド幅のモノを選択しているところがポイントです。カラーリングは落ち着いた雰囲気で、ソリッドなチョコレートブラウンなのですが、この写真だけ見ると昔雑誌で紹介されていた私のお気に入りのカスタムハーレーに通じるものがあり、ちょっと懐かしい想いにとらわれました。 |
素地とポリッシュに分けられたコントラストがマニアには堪らないショベルエンジンには、ロコボーイ全盛期には当たり前のように装着されていたSUキャブを選択して、排気系はエンド部分を跳ね上げ加工した2in1マフラーにショーティサイレンサーの組み合わせ。セレクトされた各パーツの気負いの無いラフさ加減が良いですね。ステップはシックスお得意のFX系ノーマル部品を流用したシンプルなミッドステップ仕様。これは構成部品も少なくてワンオフ感を全くイメージさせないところがこのようなローテク・チョッパーには特にお似合いです。 |
ロコボーイに新しいスタイルを取り入れたリア廻り。パンヘッドのヒンジフェンダーの後部分を加工したものですが、チップを含めビンテージかどうかは残念ながら不明。フェンダーを固定するストラットは今回のカスタムの目玉、シックスオリジナル・ストラットです。これは短いフェンダーをスマートにがっちりと固定できる優れもの。製品化されるかどうかは皆さんのリクエストに懸かっています。サイドマウントされたナンバーやVLテールは当時は一般的ではありませんでしたのでもちろん今風仕様。シートはピットブル製の高品質なレザーシートを取り付けています。 |
MAY .2009