1-F21インチ チェンシンタイヤ
2-R18インチ チェンシンタイヤ
3-VTレプリカフレーム
4-74スプリンガー
5-シックスオリジナル トップティー
6-パウコ製エイプハンガー
7-アイアンスポーツスタータンク
8-ワンオフ 段付きシート
9-ワンオフ シッシーバー
10-パウコ製ドラッグパイプマフラー
11-5インチ幅フラットフェンダー
12-WLAテールランプ
13-SUキャブ ファンネル
14-Eg T/Mオーバーホール
15-1.5インチオープンベルト
16-ロッカークラッチ ジョッキーシフト
17-12V変更
18-コンチネンタル サクラ吹雪ペイント


シックス・モーターサイクル流のシンプルなスタイルに仕上げられた48パンヘッド チョッパーが今回の主役です。旧車が珍しいものではなくなってきた昨今のハーレー事情、けっして旧車専門でもない三流中古車販売店シックスでもショベルは数知れず、究極の旧車ナックルもチョッパー化のため後に控えているというぐらいの加熱具合です。そのような時流の中でエンジンのオーバーホールのために手間取り、後から製作に入りながらも前回紹介したULチョッパーに先を越されるなど苦渋を舐めつつも、じっと辛抱強く完成を待っていたパンヘッド・チョッパーが登場です。
最近のチョッパーは柄や素材感、ディティールなどユニークなものか当時のお宝パーツを散りばめたB級を気取りながらも金額的には超A級のどちらかに二極化されているように思えます。シックスでは創業当初から一貫してそのような風潮には背を向けチョッパーの基本とは何かを考え実践してきました。当店ではチョッパーは旧車である必要はないと思っています。基本で忠実であるために、ベースは旧車に係わらず現代のエンジンにも同様に応用できる懐の広さを持っているからです。しかし、ハーレーが伝統に重きを置いている以上未来的なスタイルはどうも当店の柄ではありません。チョッパーはクラシックでベーシックなカタチがいい。現代的な中にレトロなイメージがあるってことになるでしょうか。現代の事情は昔とは明らかに変わっているから、50年代や60年代のチョッパーをそのまま再現することに抵抗があるのです。だからレトロなチョッパーデザインのディテールを改良したものがシックススタイルという訳です。
基本的なスタイルは上記の通りですが、オーナーのオーダーにはもう一つ明確なものがありました。ガソリンタンクにはサクラ吹雪を散らしたいというものです。シックスでカスタムされるオーナーさんには外装ペイントについて最初から明確なビジョンがある方と最後の最後まで決まらずに迷ってしまう方との両極端に別れてしまう傾向があるようです。特にタンクに何がしかの柄を入れるという方は最初にペイント有りきで、そこからの流れで外装のスタイルのイメージを持っているようです。今回はその流れで、どちらかというとペイントメインでその他の細かな仕様はペイントのジャポネスクなイメージを邪魔しないような造作で構成された典型だといえるでしょう。
ベース車両に付いていた社外のフレームの代わりに純正タイプのフレームを奢り、スプリンガーフォークでフロント21インチ、リア16インチと実にスタンダードな骨格もアクの強さをスポイルために効果的なものになっています。ペイントもブラックとクロームのモノクローム調で仕上げ、サクラ吹雪が夜中に風で舞っているようなイメージを強調するために、タンクだけでなく車体全体も一枚の絵画のように捉えるような方向性を与え、日本画の表現技法でいうところの空間の美を意識したものとしました。


74スプリンガーフォークはスプリングのみクローム仕上げとなり同色のベイツタイプのヘッイライトとバランスをとっています。シックス オリジナルトップティーにショベル用のライザーを組みパウコ製のエイプバー ハンドルを合わせ、旧車チョッパーではあえての外出しアクセルワイヤーと操縦性を優先させたチョッパーイメージを演出しています。全国で爆発的ヒット商品となったナイス!製のダイヤモンドグリップはシートのパターンと合わせてチョイスされています。

アイアンショベル用の純正スポーツスタータンクはフォルムには手を加えず無地のキャンバスとしてオーナー唯一のオーダーであるサクラ吹雪をコンチネンタル氏の入魂の一筆として表現しています。オーナーが男性であるということ、ピンクを必ず入れて欲しいという意向、さらに旧車チョッパーでもあることなどペイントにはかなり苦戦したようです。走行風に煽られて前から後ろへとチラホラと舞い散るように描かれたサクラが趣き深いものとなっています。


苦労してオーバーホールされたパンヘッド・エンジンはヨンパチならばこれが必須であろう、ネジで直止めされた底の深いパンカバーがカッコ良いです。吸気系はSUキャブにショートタイプのファンネルを付け、排気系はパウコ製のターンアウトタイプのドラッグパイプでまとめます。ステップはマニア好みの仕様でボードタイプとして、1.5インチのオープンプライマリーにロッカークラッチでジョッキーシフトの当店ではチョッパースタンダードな組み合わせとなります。

5インチ幅のフラットフェンダーにクローム処理された緩いアールのシッシバーはワンオフもの。ブラックペイントされたテールランプはWLAタイプをチョイス。腰の据わりの良さげな段付きシートはグリップと同じくダイヤモンドパターンのステッチが施されたワンオフシート。しかし、リジッドフレームの旧車チョッパーは外装を軽く手を加えるだけでらしく見えるので特にパーツもシンプルさが信条の当店のチョッパーは内容に乏しくて記事に困りますね。


NOV .2010