1-F21インチ/黒リム
2-35φナローフォーク
3-グリメカ・ブレーキレバー
4-4.5インチ・ライト
5-パウコ/3インチ・ドッグボーン
6-Zバーハンドル
7-スポーツスターナロー加工タンク
8-ボバー・オイルタンク
9-ワンオフ・コブラシート
10-5インチ・フラットフェンダー
11-ワンオフ・シッシバー
12-ワンオフ・ドラッグパイプ
13-1.5インチ・ベルトドライブ
14-ノンロッカー/ジョッキーシフト
15-PMブレーキシステム


連続製作「似たものチョッパー」シリーズ、「4速スイングアームフレーム・カスタム」第2弾の登場だ。ちなみに第3弾はCUSTOMERS BIKEの方に掲載しているので、そちらも合わせて見てもらえると有り難い。
今回はシリーズ中もっとも、スマートなイメージで製作された1979年式スーパーグライド・ファットボブのカスタムチョッパー。オーナーは日本経済の中心地で、ファッション的にもハイレベルな土地柄であろう東京都在住の方で、いかにもドブい大阪在住の我々からすれば、東京という言葉の響きだけでもうすでにスマートなイメージである。
そのようなイケてる東京の街中をぶらりと流していても恥ずかしくないように、シックス・モーターサイクルとしてはコンパクトさだけではなく、モダンイメージでスマートさを感じ取れるように手を加えてみた。旧車の流れを色濃く残すショベルヘッドベースなので、エンジンやミッション関係からのコンパクトさは容易に表現できるのだが、やはり高年式の角スイングアーム車ということで、どうしても現代工業製品のイメージが強い。かといって、旧車テイストで比較的コンパクトに収まる丸スイングアームとドラムブレーキにわざわざ変更するのも79年式ベース車である意味がないのではないか。それなら最初から70年初期のベース車をカスタムすればよいのだから。
そのような訳でスイングアームには手を加えずに、例のリジッドバーを用いることでスイングアームを固定、無理なくフラットフェンダーの使用を可能にして、リア廻りの基本的スタイルを決めた。そして意識的に無機的でシンプルなパーツセレクトとカラーリングによってスマートさを表現してみた。PMブレーキ・キャリパーの採用やドリルド・ブレーキディスクなど、けっして旧車チックなイメージに偏らないところがポイントである。ガソリンタンクも当店では珍しくナロー加工を施し、ハンドル廻りやマフラーもシンプルでオーソドックスなデザインでまとめ、個々のパーツを強調させるのではなく、全体のフォルムでスマートさを感じとれる手法を取った。
すでに、このチョッパーは東京のオーナーの元にあり、東京近郊の方は元気良く走るその姿を目撃できる機会もあると思うので、関東ではまず目にすることが難しい、関西のシックス・モーターサイクル製作のチョッパーの出来をじっくりと見て欲しい。


FX系の特徴であるコンパクトでナローなフロント廻りはそのままに、小型のベイツライトや3インチライザーで固定されたZバーハンドルなど特別なパーツは何も選んでいないが、そのことでかえって個々のパーツが目を惹きすぎて全体のバランスを崩すことを避けている。無機的でシンプル、このチョッパーには、ただそれだけで十分だと思う。

スポーツスター・タンクはセンターから分割してナロー加工を施してある。ノーマルタンクでも不都合はなかったはずであるが、やはり東京というイメージが頭にあったので製作者も思わず色気を出したものと思われる。タンクに描かれた細いブルーメタリックのフレイムスも深みのある鮮やかな色味で、実にスマートな雰囲気だ。


キャブはSUキャブにシンプルなファンネル。オイルタンクは上から見るとバッテリー内蔵のパンヘッドタイプのラウンドスタイルであるが、それに比べるとタッパの低いボバーオイルタンクというものをチョイス。シンプルなドラッグパイプマフラーは、一見すると気が付かないかも知れないが、ワンオフ製作されたもので、このように何気ないデザインであるが、見る人が見るとなるほどと思わせるような綺麗なラインは現代の工業製品ではなかなか手に入らない。

エンジン・ミッションはきちっとリビルドされ、1.5インチ幅のオープンベルト・プライマリー、ノンロッカー・システムは言うに及ばずノーマル流用のミッドステップ造作もシックスではスタンダードメニューというべき仕様。ワンオフ製作されたシッシバーの位置まで伸ばされたシートはツウ好みなダイヤモンドステッチが施されたスリム・コブラシートで、もちろんワンオフ製作。今回のスイングアーム・チョッパーシリーズでは、どれもシートが凝っているのが特徴的だ。


DEC .2009