1-F21インチ/赤リム
2-35φナローフォーク
3-グリメカ・ブレーキレバー
4-4.5インチ・ライト
5-パウコ/3インチ・ドッグボーン
6-一文字ハンドル
7-ワンオフ分割タンク
8-VTレプリカ・オイルタンク
9-ワンオフ・ロングシート
10-5インチ・フラットフェンダー
11-ワンオフ・シッシバー
12-2イン1パイプ
13-1.5インチ・ベルトドライブ
14-ノンロッカー/ジョッキーシフト
15-ハイマウント・ステップ


単なる偶然か、はたまた神ならぬシックス・モーターサイクルの陰謀か、時々なぜか連続して製作される「似たものチョッパー」シリーズ。今回は法規的にもオーナーの懐具合にとっても、優しいカスタム「4速スイングアームフレーム・カスタム」の出番がやってきた。
先鋒は、今回のシリーズ中もっともオーナーの趣味性が濃いと思われる1981年スーパーグライドベースのカスタム。リーマンショックの傷跡深い疲弊しきったマッスルパワーの無い現在のアメリカではなく、精神的にも文化的にも円熟の刻を迎えていた古き良きオールディズの仇花、サブカルチャーの鬼子「ロッド&カスタム」テイストを全面に押し出したカスタムが施されている。エンジンを搭載した愛すべくオモチャに2輪も4輪もない、単に違うのはタイヤの数だけのことをモットーに、それでも「ロッド&カスタム」からマニアックにインスパイアされたものということではなくて、それはそれ当然のノリという、どちらかというと軽いスタンスのアプローチである。
幅の狭いFX系のフロント廻りやノーマルのタイヤ幅をそのまま活かしたナローな仕様に、むやみに車高を下げすぎない「ハイ・ボーイ」をイメージさせるスタンダードなスタイル。しかし、アイキャッチ的なパーツセレクトは奇抜でキッチュなイメージを感じさせるもので、詳細は後に詳しく述べるが細部のパーツにはシックスらしからぬ、アクの強いデザインのモノを多用してみた。カラーリングもしかりである。オーナーとシックスとのコラボレーション、「ロッド&カスタム」のアイコン感覚の「4速スイングアームフレーム・カスタム」である。


FLHに純正装備されていたライザーに3インチ・ドッグボーンライザーを更に組み合わせることによって、ほど良い高さとハンドルの自由自在な角度を調整できるようになる。そして極端に幅の狭い真一文字のストレートハンドルの中央にはグリメカのブレーキレバーを装備。小さなミラーも取り付け位置からすればライダー自身の顔ぐらいしか映らないと思うが、それも含めて当然のノリである。

社外のエッグタンクをセンターからまっぷたつに割って、セパレートタンクに加工。取り付けた場合の横幅は加工前とそれほど違わないと思うが、ガソリンタンクのイメージは大幅に変化した。「ロッド&カスタム」テイストでつや消しの特徴的なペイントは、おなじみ飴色塗装店の手によるもの。深みのあるキャンディカラーを得意とする同店からすれば、さぞやりにくい依頼であったはずだ。


エンジンユニットはシリンダーとタペットブロックのみがブラックペイントされ、いかにも無骨なショベルらしい雰囲気に仕上がっている。キャブはエアクリーナーレスのS&S社のBキャブで、ステップ位置もかなりハイマウントだが、このような仕様もノリで選んだ。最後まで悩んだのがマフラーでなんとか2イン1スタイルまでは決めたのだが、エンド部のカタチが決まらない。最終的にはお約束パーツであるターンアウトにした。

ずいぶんと前に自社製品として発売したが、業界的にもユーザーにもガン無視されたシックス・リジッドバーでスイングアームを固定させ、フラットフェンダーを無理なく装着できるようにしてある。ストレートに伸びたシッシバーに合わせてワンオフ製作された実におさまりの良いロングシートが、このチョッパー最大の見せ場だ。ちょい上向きのティムストーンランプはレッドカラーにペイントされ、リアスタイルのポイントとなっている。


NOV .2009