1-ハードテール加工
2-74スプリンガー
3-スポーツスタータンク加工
4-ツイストスポーク,ホワイトタイヤ
5-ワンオフマフラー
6-3インチプライマリーベルト
7-スーサイド,ハンドシフト
8-S&Sキャブレター
9-5インチハンドルポスト,スーパーバー
10-ミッドステップ製作
11-7色フレーク入りスペシャルペイント
12-ワンオフ,ホワイトコブラシート

一際,目を引くこのチョッパーは,1980年式FLをベースにハードテイルキットを組み込んで,ホットロッドテイストを注ぎ込んだ1台です。
まだ若いオーナーのイメージするところの50〜60年代のアメリカのホットロッドスピリッツをショベルチョッパーに反映させました。
もともとベース車がベルトプライマリー仕様でミッションなどが社外品のカスタムバイクだったのでそれを極力活かしたプランで進めることに。
74スプリンガーはメッキとブラックの2トーンカラーを選択。あえて,リムは赤く塗らずに,ツイストスポークとホワイトウォールタイヤとのセットアップで雰囲気を出しました。
7インチポストライザーにスーパーバー,この手のお約束はちゃんと押さえます。
もちろん,ミッドステップのハンドシフトでスーサイドです。
しかし,このバイクの注目点は各部のカラーリングが演出する,不良っぽさを感じさせる雰囲気でしょう。
ブラックフレームにメッキのパーツ,ラバーパーツやシートはホワイトで,なにより派手なパープルフレイムの外装が当時の妖艶な空気を再現してくれます。
加えてポイントカラーのシリンダーの燃えるような赤色がアウトローさを増長させているようです。
遠方に住んでいるために,製作の進み具合をVIBESの広告でしか知る機会のないオーナーでしたが,完成車は彼のイメージを上回る出来だったようで,たいへん喜んでくれました。


スポーツスタータンクをキャップ位置の移動や幅つめ加工で70年代の社外品スポーツスタータンクのようにメリハリのあるシルエットを表現。
フレームのタンクマウントをあえてカットしていないので,
わざわざタンクの方を細工してあります。
ホワイトシートにどっしりと跨がり,まっすぐ手を延ばしたところにあるハンドルを握りしめた視点から見えるナロータンクのシルエットとハウス・オブ・カラーのパープルフレイムペイントがたまりません。
映像では全く表現出来ていませんが,キャンディカラーのフレイムだけではなく,その上に7色フレークを吹き付けたスペシャル塗装を施してあります。塗装の仕上げの美しさといい,ペイントショップの技術力とカラーセンスの高さを見せてくれる仕様となっています。
ハンドシフトレバーはエンジンマウントを軸に固定したワンオフもの。よく見ると,軸受けが車体の雰囲気に合わせてダイヤモンドの形状をしています。
ちなみに,とってつけたようなシフトノブは納車後にオーナーが好みのものに付け替えるという前提で近所のオートバックスで一番安いノブを購入。
むき出しの幅広のプライマリーベルトから伸びているスーサイドクラッチペダルが,否応にも危険な雰囲気をかもし出しています。
こちらサイドから見ると,シリンダーにペイントされた赤色が目立ちますね。この場合、シリンダーフィンまで赤で塗装せねばなりません。フィンの先端をバフかけしては,まるて違う意味のバイクになってしまうのです。
フレームの外側を通るアーリーショベルタイプに加工されたワンオフのショットガン,ドラッグマフラー。
リアのマフラーの取り回しが独特のラインで見るものに一種の違和感を与えます。
また,ホワイトのタイヤとシートに挟まれたパープルカラーのフラットフェンダーのコントラストがオドロオドロしさを発散しています。
キャブレターはS&SのスーパーEにレーシーなイメージのマッシュルームカバーを装着。
写真が小さくて分かりにくいかも知れませんが,このマッシュルームカバーはファンネルを介さず,表側から直接ボルトを打ち込んであり,その3本ボルトをわざわざワイヤリングしてよりレーシングイメージを高めてあります。
このような小ワザも楽しいものです。
オーナーが跨がった姿です。
10月の大阪舞洲ジャンボリーで納車を兼ねていたので現地でのショットです。
オーナーが四国在住で,バイクが完成するまで乗ることが無かったことが信じられないほど,実にカッコイイ。
最初の打ち合わせや電話でのやり取りでオーナーの嗜好や形にならない思いを敏感に読み取り,それをカスタムに表現していく能力はシックスモーターサイクルの製作スタッフの得意とするところだと思えます。
かくいう私も,カスタムの依頼をした時にイメージがはっきりと固まらず,口では表現しきれなかったところまでも,完成してみると,こちらの意図を読み,きっちりとカタチにされていて,驚かされたこと幾多もあります。