1-スポーツスタータンク
2-フラットフェンダー
3-シッシーバー製作
4-ワンオフ,アップマフラー
5-リジットバー
6-コズミック6インチHライザー
7-スーパーバー,スイッチ加工
8-ソロシート
9-ホイール,エンジン,ペイント
10-ルーカスタイプテールライト
このチョッパーは東京在住のオーナーが電話のみでベース車を購入しカスタムも発注したという経緯をもっています。我々がオーナーについて知っているのは年令と身長のみ。どのような顔なのか,もちろん好みも知りようがありません。
カスタムイメージもオーナーいわく「お任せしま〜す」。スタッフ「カラーはどうしましょうか?」,オーナー「お任せしま〜す」スタッフ「マフラーはどのようなものを?」,オーナー「お任せしま〜す」。
以上のような無意味なやりとりの後,それならオーナーが,びっくりするようなカッコイイバイクを造ってやるか,となりスタッフが自由に腕を振るい製作したバイクです。
やはり,チョッパーはアソビ心が無くてはできません。
ベースが86年のエンジンがアルミ地のソフテイルなので,その媚びない硬派な雰囲気を利用したチョッパーイメージを心掛けました。特に目立つマフラーデザインも含めて全体のイメージは60年代後半ぐらいのアウトローな雰囲気を,エンジンやリアホイールのカラー,タンクのペイントなどは現代の流行を取り入れてあります。
一見ラフな雰囲気で製作されているように感じられるかも知れませんが、ハンドルまわりなどは,ミニスイッチを使用したりW650のブレーキマスターを流用等,細かい部分まで手を抜いてはいません。


ソフテイルのカスタムには定番のスポーツスタータンクをチョイス。ガソリンコックが左右位置違いにセットされているのは少ないガソリンをフルに使うための工夫です。
たいへん美しいキャンデーブルーのペイントは去年のクールブレーカーでヘッドブロウが展示していた「Teal Smith」というハイテクカスタムチョッパーと同じものです。しかも,その塗料の残りを使っているという噂もある。
パールホワイトのトライバルとデビルテールを合わせたようなフレイムパターンは,これまたヘッドブロウ(デコント)のカスタムチョッパーを大胆にパクっています。
こういう時は気心の知れた有名なバイクショップがあると,たいへん便利ですね。
アルミ地のエンジンはお化粧直しを兼ねてシックスモーターサイクルでは毎度の仕様の上が赤で下が黒のペイント。この色分けはスタッフが昔,あるアウトロー写真集をみてこれはカッコイイと始めたものですが,私は良い意味で下品で悪っぽくてとても気に入っています。
写真には写っていませんがハンドルまわりも同様の雰囲気に合わせてコズミックの6インチH型ライザーにノーマルの4インチライザーをエクステンション。もちろんスーパーバーを使用しています。ブレーキマスターおよびレバーはカワサキW650の純正品を流用。ハンドルのサイズも同じで丸くシンプルなデザインなので当店ではよく使う手法です。
このバイクを見て一番に目に入るのは,やはりこのマフラーでしょう。オーナーは「お任せしま〜す」の連続でしたが
会話のノリでこのスタイルを理解してくれるオーナーと判断して,ドラックパイプを切った貼ったしてワンオフしたものです。昔のアメリカのアウトローはこのような奇抜なスタイルのマフラーを愛車に好んで装着していました。このタイプのマフラーは人が乗るとよりいっそう見栄えがするので,走行中のスタイルの良さは筆舌ものです。そのような事柄をふまえてこのマフラーをカッコイイスタイルになるように製作しました。ブラックのペイントがワイルドな雰囲気を強調しています。
もちろん,事後承諾でマフラーの形状はオーナーに了解をとってありますが。
この車両はソフテイルスタンダードなのですが,ディッシュホールが装着されていましたので内側を赤くペイントしてイメージアップ。それに合わせてベルトプーリーも黒で決めてホイールとのタイアップを計っています。
ストップライトは定番のルーカスタイプを使用。ナンバープレートと共にサイドマウントとしています。取り付け方法も裏面ゆえ見えませんがスチールパイプの曲げ加工でさりげなく凝っています。
シッシーバーもメッキのスタンダードなタイプを車体に合ったサイズでワンオフ。
3月にオーナーが新幹線でやって来てこれからの自分の愛車となるこのバイクを見た時のリアクションが今からたいへん楽しみです。