1-純正フレームハードテイル加工
2-35@ナローフォーク,ローダウン
3-スポーツスタータンク(無加工)
4-フラットリアフェンダー
5-SUキャブ
6-ワンオフ,シングルシート
7-ワンオフ,ドラッグマフラー
8-7インチライザー,エイプバー
9-1.5インチオープンベルト
10-ジョッキーシステム
11-ゴーストフレイム,ペイント

シックスモーターサイクルでは定番の4速純正フレームにハードテイルを組み合せたお得意のチョッパースタイルです。こうすると,パンやナックルフレームより車高が低くなるので,「チョッパーは断然,低い方がカッコイイ。」という製作者の強い思い込みから当社ではショベルリジットチョッパーはこの手法をよく利用します。

7インチライザーにエイプバーハンドルと変わったセットアップですが,オーナーが185B以上と背が高いので,グリップの位置がオーナーの肩よりやや上方ぐらいのシックスモーターサイクル的にカッコイイと決めているドンピシャのポジションになります。もちろん,膝も良い感じに曲がるような乗車スタイルで、オーナーが跨がると車格はとてもコンパクトでとても1200ccもあるようには見えません。

横から見ると,思いっきりローダウンしたストレートな形状の35@ナローフォークとシンプルな三角フレームに小さなフラットフェンダー,そして2つのタイヤがとても良いバランスになっていると思いませんか。玄人好みのシンプルなタック入りの薄いワンメイクシートやその下の丸いバレル型オイルタンク周辺のスカスカ感なども特筆に値する部分でチョッパーフリークとしては見逃してはいけません。

カラーリングもモノトーン系でシンプルにまとめられ,ホワイトウォールタイヤがピントの効いたアクセントになり,このチョッパーの方向性をよく表現していると思います。離れた位置からは分かりませんが,ガソリンタンクもカラーリングでちょっとした遊びを入れてこの手のブラックペイントのカスタムでは単調になりがちなイメージを防いでいます。

ところで,三流ショップであると自覚するシックスモーターサイクルでは,スポーツスタータンクはノーマルの形状で使用します。その昔,どなたがデザインしたかは存じませんが,当時の最先端の流行を取り入れた,この純正のフォルムが現在の目でみてもたいへん美しくてカッコイイと考えるからです。
また狭い日本,普通に走るぶんにはガソリンスタンドがたくさんありますのでガソリンコックの位置の加工も必要ないのではないかと。

もちろん造形作家なみのビルダーを抱える一流ショップなら自らの理想のフォルムを追求して美術作品並みのチョッパーを造り上げることなど雑作も無いことでしょうが、我々の憩いの場であるシックスモーターサイクルの造るチョッパーは「気持ち良く走るための道具である」というポリシーで首尾一貫して製作しています。もちろん遊びのエッセンスも忘れてはいません。




今までショベルリジットは,スプリンガー仕様ばかりでしたが今回は,ノーマルの雰囲気が残るFX系の35@ナローフォークとの組み合わせです。

スプリンガーと違い造作的にもスリムでスポーティなイメージを感じさせるテレスコフォークを「走行に支障がないかな?」と思えるところまで
ギリギリローダウン。

やはり,チョッパーは低い方がカッイイだろうという考えが反映されています。そうゆうわけでこのチョッパーは,都会での走行性能を上げる改造を重点的に施しているフリスコ・スタイルではありません。

余白

定番のドラッグパイプマフラーをショットガンスタイルに仕上げました。しかしこのチョッパーの見せ場であると製作者の西村が力説するところが
リアパイプの取り回しだそうです。真横からのショットでは何の変哲もないストレートなパイプに見えますが,上から見ると写真のとうり。

キックアームやオイルタンクに接触しないようにピッタリ車体に添うようにパイプが微妙な角度で取り回され,タイヤの前付近から突然,外に向かってまっすぐに伸びています。

西村は「なんとカッコイイ!誰の真似でもない,新境地だ!」と豪語していましたが,みなさんはどう思われますか。




真横からのショットです。たしかに横からは普通のショットガンスタイルのマフラーにしか見えませんね。

シックスモーターサイクルではチョッパーはシンプルなスタイルをとことん表現するために造作的に凝った部品などは一切取り付けないスタンスで製作しています。

そのため,エンジンやフレームなどが本来持っている基本的な美しさがスポイルされることなくカスタムに反映されるのですが反面,雑誌などでお情けで載せて頂いても解説文としては書き出す特徴がなく,編集の方は「コメントのしようがない。」と困った面も出て来ました。

余白

オーナーは真っ黒なチョッパーを希望していたのですが,それではあまりにも面白くないとの判断で,ゴーストフレイムという一風変わったペイントで仕上げました。

一見,黒ベタな塗装に見えるのですがキヤンディレッドのフレイムの上に再度,黒等の薄めた塗料を吹き付けることによって明るいところで見ると下のフレイムがボンヤリ浮かび上がるのです。

しかし,太陽光の下でないとはっきりと見えず,また建物の中の照明程度では判別が難しくて晴れ渡った青空の下ではじめて効果的に煌めくので一日のうち3時間ぐらいしか見ることできないんじゃないかと思えるほどでした。




1.5インチベルトのオープンプライマリーにロッカークラッチ,ジョッキーシフトのセットアップ。

気分的にはスーサイドクラッチといきたいところですがオーナーがこのようなチョッパーは初めてだということで安全面を優先させました。

このように新しくフルカスタムのチョッパーの製作を依頼されるオーナーはハーレーそのものが初めてというケースがシックスモーターサイクルでは多いようです。自分のあこがれのチョッパーが次第に出来上がる様をうれしさと期待感いっぱいの表情で彼女と共に,または家族連れで見来ているようすは,我々貧乏常連組みからすれば,うらやましく思えてなりません。

余白

斜め下からのショット。

パースが効いている構図で,タンクからフレームにかけてのシンプルで美しいトライアングルライン,それに抱き込まれるようにして配置される荒々しいショベルヘッドエンジンとメカニカルなキックアームが取り付くミッションケース,鈍く輝くバレルタイプのオイルタンクがそれぞれ自己主張していて,とてもカッコ良く見えます。

実は私,チョッパーにはもう長いこと乗っていないのですが,こういう絵を見ると心の奥がワクワクして,こんなチョッパーもイイかもなんて思いました。

AUG.2003