1-フレイムペイント
2-アルミオイルタンクペイント
3-P.Mブレーキシステム
4-8インチライザー
5-スーパーバーハンドル
6-スポーツスタータンク
7-ハイパイプマフラー
8-ワンオフソロシート
9-SUキャブ
10-ハンドシフト
11-スーサイドクラッチ
12-オープンプライマリー
13-ワンオフシッシーバー
14-リジッドフレーム

1976年のFXをベースにハードテイルを溶接して製作しましたリジッドチョッパーです。オーナーはダイナローライダーのライトカスタムを所有していましたがショベルエンジンへの興味とスタイルの自由度に憧れて乗り換えました。
それゆえ,エヴォリューションエンジン以降ではカスタムとしては大掛かりになりすぎて手を付けにくいけれども,ショベルならカスタムのついでに気楽に出来るオープンプライマリー化やキックキット,ハンドシフトなどオーナーの夢が満載のチョッパーになりました。

スタイル的にはハイパイプのマフラーやキャストホイールからも分かるようにリジッドフレームではありますが,限界まで贅肉を削ぎ落としたスポーティなライトイメージを全面に押し出したチョッパーに仕上げました。(SUキャブなのはご愛嬌)
ショベルカスタムというものは,エンジン等のパワーアップというより視覚効果のほうを強く意識したもので,「速さ」よりも「らしさ」で走るバイクだと思います。
カラーリングは西海岸風の派手な色味は避け,フレームからボトムケース・マフラーまで黒く塗装,そしてショベルエンジンの銀色とのモノトーンカラーをベースに,ポイントカラーに鮮血のような赤を入れて「凄み」というものを演出してみました。

ところで,先日仕事の関係で千葉県の超一流ショップ「Fake」の渡辺氏が恐れ多くもシックスモーターサイクルに来店されたのですが,その時の会話の中で当店のメカニックが自慢げに「名前もぼちぼち知られるようなったし,うちも三流から二流ショップに格上げかな。手始めに大阪から飛び出して東京のショーに殴り込もうと考えているんだけど。」と言ったのですが,渡辺氏に「まだ早いんじゃない?二流には。」とやんわりとたしなめられていたそうです。
その後,渡辺氏とHEAD BLLOWに出向き社長のマサ兄に昼飯をごちそうになったそうですが,彼ら二人がカスタムの崇高な会話で盛り上がっている横でうちのメカニックは話の内容についていけず,とにかく会話の端々でカタチだけうなずいていたそうです。
勢いだけで,いささか中身が伴っていないのもシックスモーターサイクル流かな…。




シックスモーターサイクルでは最も登場回数の多いスポーツスタータンクをバランス的にベストな位置にセット。
このタンク,シンプルでカッコイイのでカスタムでも人気が高いのですが,社外の製品ではカタチの歪んでいるものが多く当店ではできる限り純正のタンクを手に入れて使用しています。

塗装に関しては今回あえて細かい注文をつけずに「おまかせ」でペイントショップGun Fighterにゆだねました。派手なカラーではありませんが遊び心を取り入れたフレイムパターンでクオリティの高い仕上がりです。

余白

ハンドル周りはナローグライドの8インチライザーにスーパーバーハンドルの組み合せ。ブレーキマスターシリンダーはブラックのNISSIN製。
ハンドシフトなのでクラッチレバーもなく,スイッチ類もハンドルには付けていないので,すっきりとした雰囲気になりました。

微妙なラインのスーパーバーハンドルにノーマルのいかにも野暮ったいスイッチボックスは,スポーティなイメージにはマイナス要素だと思えます。
また,この部分に手が入っていると,不思議とキッチリとしたカスタムに見えるものです。




ハンドシフトレバーはデザイン的に考えたもので,横から見ると凹凸のないストレートなパイプに見えるように製作しました。
軸受け部分の造作もシンプルで,いかにも力を入れて造りましたというような雰囲気を感じさせないように仕上げ,さらにレバーには細いラインを2本ペイント処理して美しいラインを強調しています。
シフトボールはオーナーが持ち込みました,黒地に銀色の龍が埋込まれている逸品です。
余白

1.5インチベルトのオープンプライマリーに足の位置が高めになるようにベースマウントを造り取り付けましたミッドステップ。
写真を見ると何やら危険な位置にスイッチボックスが見えますが,エンジンストップスイッチは別のところにも装着されているので安心です。

アルミバレルタイプ・オイルタンクは車体色に合わせてペイントしてみました。当店では初めての試みだったのですが,結構イケてますね。




オーナーの強い希望で製作しましたハイパイプマフラー。
シックスモーターサイクルではエンジニアが「美しいエンジンが隠れるし,下周りの見せたくない部分が見えるのでキライだ!」だということで造り渋るのでとても珍しいものです。
このタイプならリアパイプはもっと長いのが昨今の流行りですが,「マフラーを短かくすれば,シックスらしいだろう。」という短絡的な理由でこのスタイルになりました。
余白 フレイムパターンにペイントされたフラットフェンダーにオーナーの好みで長めのワンオフのシッシーバーを取り付け。この組み合わせなら長いダブルシートを個人的には付けたいところですが,オーナーはソロシートが良いということで,いつものワンオフシートを装着。
オーナーは憧れのバイクが完成したので,さっそく荷物をくくりつけてツーリングに出掛けると思います。ショベルという新しい相棒とこれから先,どのような道が待っているのでしょうか。

APR.2004