1-マスタングタンク加工
2-一文字ハンドルバー
3-フラットフェンダー加工
4-ワンオフ・シッシーバー
5-ワンオフ・ソロシート
6-ワンオフ・オイルタンク
7-ワンオフ・ハンドシフト
8-120/80リアタイヤ
9-F,18インチタイヤ
10-12V変更
11-外装ペイント

このベース車が無骨な軍用バイクWLAとは思えないほどカスタムされたチョッパーは以前製作しましたWLベースのライトチョッパーと同じコンセプトで造り上げた2号機です。
ベース車輌自体はオーナーがシックスモーターサイクルに持ち込み、「あのチョッパーのようなバイクにしたい」というオーダーで製作されました。実際、以前製作した時にはあまりにマニアックなコンセプト、スタイルも今の流行りとは、かけ離れたチョッパーだったので製作者も「はたして、これで良かったんだろうか。ひょっとしたらとんでもない勘違いバイクだったのかも。」と密かに自問自答する日々だったそうですが、こうして認めていただける人が少しでもいるとシックスモーターサイクルとしても「これで良かったんだ。間違ってはいない。」と自信が持てるというものです。
前の記事にも書きましたが、あらためて記載しますとコンセプトは、「コンパクトなWLでBIG TWIN系のチョッパースタイル」を表現したものです。
このカスタムの大事なポイントはタイヤサイズで、フロントタイヤを18インチに変更,リアタイヤはノーマルの16インチのホイールに120-80サイズのスポーティなパターンのAVON・ベノムタイヤを装着しています。このことによって、BIG TWINのチョッパーでサイドビューがフロント21インチ、リア16インチのスタイルに似せているのです。前回は私にはなんのことやら分かりませんでしたが、今回もいまいち理解できたとは言えませんね。
しかし、このチョッパーがカッコイイということは分かっていただけると思います。時代考証などのウンチクも大事なことだと考えますが、ことチョッパーに関しては「見た目が良ければそれでALL OK!」ではないでしょうか。
造作的には2号機とはいえ、細かな仕様はかなり違っています。特に以前のものは6Vの電装にこだわり、そのため6V用の大きなバッテリーの設置位置など妥協しなければならない部分もありましたが今回は最初から12Vの仕様なので、それこそ普通のBIG TWINチョッパーのように小さなバッテリーが使えることになり制約なく製作を進めることができました。
バイクのイメージ創りに大切なペイントはペイントショップ「GUN FIGHTER」に派手なパターンは避け、渋めな単色のシルバーペイント仕上げで、ソリッドで荒々しい雰囲気を演出してもらいました。



マスタングタンクを二つ割りにしてさらに切断ラインを大胆にカットした細みなフォルムが美しいナローガソリンタンク。
本来WLシリーズは向かって右側はオイルタンクになっていますが、オイルタンクをシート下に移設したので左右ともガソリンタンクにして容量を稼いでいます。でも見てのとうりのデザイン優先タンクですのであまりガソリンは入りませんけど。
タンクの間にちらりと見えるのはキーボックスです。社外のキーボックスを使いプレートに埋め込みインジケーター関係を一緒にレイアウトしてフレームに止めています。
余白 スプリンガーに7インチドッグボーンライザーの組み合せに、何度見てもびっくりする曲りの全くないストレートなドラッグバー。
オールドブレーキレバーは旧車らしく左側に取り付け。
バーの両方の先端にインナースロットルを溶接して、ホワイトグリップは往年のボバーの手法で半分の長さにカットしてレーシーな雰囲気を盛り上げています。チョッパーとはいえ旧車なので細かいところまで気を使い手は抜きません。
また、乗車すると肩の位置までハンドルがくるように高さをセットしてポジションは無理のないものになっています。



ガソリンタンクが細くなったのでノーマルのハンドシフトは使えませんから、スチールパイプを加工したハンドシフトをワンオフ。車体の雰囲気に合った飾り気のないシンプルな造作で好感がもてます。
シフトノブはオーナーが持ち込みましたガラス製のドアノブのようなもので、古めのチョッパーにも良く似合うオールドテイスト溢れる逸品。
エンジンの間から覗くリンカートキャブは軍用ならオイルバスタイプのエアクリーナーが付くのですが、チョッパーなので小振りなキャブカバーをオーナーが物色中で何も装着されていません。
余白 アルミ製ヘッドカバーのフラットヘッドエンジンはノーマル仕様。
いかにも旧車だと強く主張するかのような、いたるところフィンが立ちまくりのデザインはとてもカッコイイものです。
エキパイはノーマルをツヤ消しのブラックペイントで仕上げ、エンド部分をやや上方向に加工。サイレンサーは取り付けていません。
ワンオフのオイルタンクはBIG TWINのようにシート下に付けました。フレームのラインに合わせた小さなタンクですが容量は必要にして十分です。キャップは何かのハーレー用をサンブラ加工して流用しました。



WL独特のフレーム形状に合わせて製作されたソロシート。
まるでトランプのスペードのようなユニークなフォルムで、BIG TWIN用と比べてみてもとても小さなサイズではありますが、座ってみると必要最小限の大きさでしっかりとお尻をホールドしてくれる職人の技が冴える逸品です。
リアフェンダーは細いタイヤサイズに合わせて5インチのフラットフェンダーをセンターからチョップしてあるのでタイヤ幅よりスリムなものになりました。泥よけの効果はさほど望めませんが、これはチョッパーゆえのデザイン優先ということで。
余白 なんの飾り気もないストレートに伸ばされたワンオフシッシーバー。
リアアクスルからすらりと伸びたシンプルなカタチだけにバランスの崩れなど、かえってごまかしの利かない造作です。
そのシッシーバーの真ん中にその存在を誇示するがごとく取り付けられているのはWLAのテールライトでボディと同色にペイントされていて雰囲気が変わっていますが、ちゃんとした軍用車の流用品。軍用装備とは思えないデザインで20〜30年代のFORD車のテールライトをイメージさせる、チョッパーには良く似合うものです。ライトの中央にはショベルのライトで有名なYANKEEの刻印が入っていました。