1パウコ,リジットフレーム
2マスタングタンク加工
3フロント21インチ
4エンジン,NEWペイント
5フラットフェンダー幅つめ加工
6別体式コブラシート
7S&Sキャブレター
8ワンオフ,ドラッグパイプ
9オイルタンク製作
10バッテリーBOX製作
11各部ブラック塗装

このハーレーはシックスモーターサイクルのスタッフのバイクです。90年式の4速スポーツスターをベースに製作者の趣味をカタチにしました。
ハーレーでは最も安価な車両を使い,ノーマルのすぐれているパーツは積極的に流用するという考えで,フルカスタムのハーレーとしては驚くほど製作費用を低くおさえることに成功しています。
高価で質の良いパーツを組み合わせて仕上げるカスタムは,もちろんすばらしいものですが,すぐれたアイデアと多少のお金があれば,バイクのクォリテイとしては,それらにも劣らないカスタムハーレーも出来るんだという良い見本だと思います。
コンセプトはチョッパー大好きの製作者をして,「できるだけ装飾を廃した究極のシンプルさ」だそうです。
写真を見て頂くとお分かりになると思いますが,このスッキリとした細みのシルエットはEVOエンジンのスマートさも手伝って,たいへん上手に表現されています。
普通,せっかくカスタムするのだからと,いろいろと凝りたいのは分かるのですが,あえて何もしないという決断は難しいものだと思います。
また,造作面だけでなくカラーアイディアとしても,パウコフレームとそれにつながるタンクやフェンダーそしてテールライトを美しいキャンディグリーンで塗装し,1つのパーツとして見せることで,よりシンプルなイメージを演出しているのです。


一見,既製品の2,2ガロン,ムスタングタンクに見えますが,フレームとエンジンの位置関係を考慮して最もカッコイイシルエットになるように加工してあります。
このタンクとフレームとの絶妙なバランス,理解できる人には納得してもらえるのでは。
あまりにもシンプルなバイクゆえ,見落としてしまいそうですが,それぞれのパーツはなんらかの加工をほどこして装着されています。やはり,既製のパーツをそのまま取り付けるだけでは,全体としてなにかチグハグな印象を与え,美しいラインが表現できないのです。
エンジンもお化粧直しを兼ねて,きれいにペイントされています。
シリンダーが黒でヘッドまわりが赤,この組み合わせは,あの有名なアウトローグループのメンバーが好んで塗装するエンジンカラーですね。このバイクの唯一の装飾パーツである,プッシュロッドカバーのゴールド髑髏がそのことを物語っているように思えます。
その他のパーツも黒くペイントされることで、車体のマスの縮小化を視覚的にも補っているのです。
これらのことを、より過激に表現するために,S&Sキャブのエアクリーナーは取り外されています。
車体と同色にペイントされたリアフェンダーは、これも同色のスパルトテールライトでシンプルさを表現。
シックスモーターサイクルでは,このようにフェンダーとテールライトとの一体感を演出するためにシンプルなボディを持つ,スパルトテールライトやデュオグライドテールライトを好んで使用します。
あっさりとした分割式のコブラシートもこのバイクに合わせて製作されたもの。ざらつきのあるビニールレザーとほど良い厚みのシートはライダーのお尻をしっかりとサポートしてくれます。
また,なにげないドラッグマフラーも製作者のイメージで,美しいラインを描くように加工されているのです。
小さなスポーツスターエンジンが,BIG TWINのように見えるほどコンパクトな車体サイズも,このバイクの最大の魅力です。
写真の人物は身長が約175Bぐらいなのですが,どう見ても国産250ccのアメリカンバイクに乗っているようにしか見えません。やはり,ここまでコンパクトにまとめることができるのはミッションなどが一体化しているスポーツスターベースだから可能で,BIG TWINではこのようには出来ません。