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1998 FLSTC

このコーナーは、これまでGALLEYで紹介してきたカスタムバイクのその後を追跡レポートしていこうという主旨で始めました。ハーレーのカスタムというものは決して完成体などなくいつまでたっても終わりが見えてこないイバラの道であります。貴重なお金や時間を費やし改造にいそしむ、そんな人生を棒にふるようなオーナーのカルマの深さを記録に残していきたいと思います。


オーナーは我々の期待にバッチリ応えてくれました。前回のカスタムでは彼のこだわりで大枚叩いて74スプリンガーを装着したのに、半年も経たずの今回のカスタムではそれらをバッサリと切り捨て、あえてナローグライドフォークに交換するという快挙に挑戦です。
やはり、東京の人はやることが一味違いますね。ケチな大阪人に比べて時流に敏感で、自分がここだと判断した時には金銭を思いきり注ぎ込みところがあります。まさしく底知れぬ冥府魔道のカスタム地獄のこのコーナーに登場するにふさわしい人材であります。
そんな彼のことですからナローフォークに交換といっても只のフォークではございません。EVOなら普通、EVO用の39ミリのフォークのところをショベル用の35ミリをセレクトであります。しかも只のショベル用ではございません。ローライダーと同じくダブルディスク装備のXR用でございます。なぜ当店にXR用のフォークがアッセンであったのかはひとまず置いて、その存在にいち早く気付き自分のカスタムプランに組み込む、当店から遠く離れた東京に在住しているにも関わらず、この情報力と行動力。やはり、東京はスゴイところだと思い知らされた一幕でした。


フロント廻りをナローグライドフォークに変更したのに合わせハンドルも以前のエイプバーからサイクルショップ製のバーの両端をショート加工したZバーハンドルに交換。
短めのライザーとZバーに加えローダウンされたナローフォークとの組み合わせで、ライダーは前屈みで腕をぐっと前に突き出した戦闘的なポジションとなり、見た目にもかなりワルいイメージが倍増されています。
他にはブレーキがダブルになった以外にはホイールやレバー類、ライト廻りは以前のままで、最小限の変更だけではありますが、オーナーのイメージするカスタムの方向性がはっきりと定まっていたので、追加カスタムではあるもののスタイル的にも後から取って付けたようなチグハグさは全く無く、きっちりと仕上がったレベルの高い好例だと言えます。



MAY.2007