1-キャンディフレイム,ペイント
2-ホイールペイント
3-S&S,Eキャブ ファンネル
4-8インチライザー
5-スーパーバーハンドル
6-ワンオフ,バッテリーケース
7-ワンオフ,ドラッグマフラー
8-ワンオフ,コブラシート
9-デュオテールランプ
10-F.Rローダウン

今回は,1993年モデルのダイナローライダーをシックスモーターサイクル始まって以来の一番派手なペイントでカスタムしました。いつものエンジンペイントが見る人に全く印象に残らないほど,メインがシルバーかブルーメタリックなのかも判断しかねるボディカラーがすばらしい出来です。

エボリューションのFX系でしかもこのペイントの組み合せということで,オーナーは「ワルで走りがメイン」が信条の某アウトロー大好きというイメージがありますが,バイクライフという意味では180度反対の性格の持ち主です。なんせ,ここ数年雪が積もって走れなくなるまで半年以上も北海道に出掛けている筋金入りの放浪人なのですから。

その彼が最近まで乗っていたバイクがコレ
国産バイク乗り達からは,あんなにたくさんの荷物をくくり付けて引っ越しでもするんじゃないかと陰口を叩かれるスタイルではありますが,彼の場合は,まったくもってそのとうり家財道具一式バイクに積んでの動く住処です。最初は学生ならではの有り余る余暇を利用して住み込みのバイトをしながらの長期北海道ツーリングだったのですが,土地の水が合ったのかどっぷりとハマり,大学を卒業しても就職せずにフリーターとなり春から晩秋まで北海道で働きながら旅行する生活をおくっています。

そんな彼が今年の春からの北海道生活の相棒に造り上げたのがこのローライダーなのです。北海道で目立ちたいがための「完全遊びバイクです。その一点のみを追求したもので,スタイルがアーバンなイメージを持っていても超ローカル専用なのです。オーナーの遊びゴコロで製作したハーレーなんです。ハーレーを改造するとなると少なからず大枚を使いますので,人はみな緊張のあまりまじめな路線に走ってしまうのですが,こんな肩の力の抜けた考えでハーレーをカスタムするのもいいと思いませんか。これもシックスモーターサイクル流としましょう。

そんなわけで,今年の北の大地ではせっかくの美しいペイントも見えなくなるぐらい大量の荷物を積んだローライダーがキズだらけ泥だらけになって爆走する姿を見ることができるでしょう。もし縁あって出会った場合は暖かい視線で見遣ってくださいね。




ペイントはもちろん,偉大なる八尾市ビッグタッグ,一流ペイントショップ「ガンファイター」と一流カスタムショップ「USHIO」のピンスト入りとなっています。

シックスモーターサイクルでは精一杯の派手さを狙いシルバーフレークベースに上からブルーメタリックを被せフレイムパターンを抜いています。そのラインに合わせてグリーンのピンスト入り。フレイムラインは欲張って面積的に可能なだけぎっしりと描きました。
プラグコードはピンストに合わせてグリーンをチョイス。

余白

ハンドルはメッキ8インチライザーにブラックペイントのスーパーバーハンドル。それに最近お気に入りのグリメカのブレーキマスターを取り付けてスイッチ関係はメーターコンソールにまとめて移設しましたので,配線も必要なく,このタイプとしてはすっきりとしたセットアップになっています。

グリップも長時間握っていても手のひらに負担をかけにくいノーマルのブラックラバータイプを選択。
この組み合せはスタンダードと呼べるもので見て良し,乗って良しのすぐれたカタチです。




派手なペイントに目を奪われがちですが,今回のカスタムのポイント,電装系とバッテリーボックスの移設です。ダイナシリーズには大きな電装ボックスがありますが,そのサイズに比べて中身はすっからかん。ショベル時代のオイルタンクのデザインを模しただけのダミーなので基盤をシート下のスペースに移設しました。

バッテリーボックスもマフラーの反対側に移動。旅先でも簡単に取り出しやすいようなシンプルなケースを製作しました。これでダイナシリーズにおけるバッテリー交換時のパズルのような作業からオサラバです。

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シートはシンプルなコブラシートをワンオフしました。フレームとフェンダーのラインに合わせて微妙なシルエットを描いています。
ボディカラーが派手なのでシートのボリュームやカラーは反対に控えめにしてみました。

しかしシートは結構酷使されるものなので,この繊細なフィルムを持つシートもオーナーのハードな扱いによってあっという間にボロボロになってしまいそうです。この次,彼が北海道から帰って来たらどのように風化しているのか,とても気になるところです。




キャブレターはS&S製のスーパーEにファンネルの組み合せ。ファンネルを選択することによってエンジンのペイントも一段と映えるものになっているのですが,今回は脇役です。

バッテリーボックスを反対側に移設したので,リアマフラーの取り回しに余裕ができ,スイングアームフレームではありますがドラッグパイプマフラーのショッガンタイプに挑戦してみました。このアングルから見るとラバーマウント・マフラーステーに補助パイプを取り付けた,普通のマフラーに見えますが…。

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上から見るとこのとうり,とても思いきったカタチになっていました。バッテリーがあるべき位置から,外向きで鋭角にそして直線的に取り出されたようなドラッグパイプ。正にただの棒です。フロントパイプは普通の取り回しですが,エンドはリアのパイプの角度に合わせて外側を向くように加工されています。

スタイル的には好き嫌いがはっきりと分かれるでしょうが,実に大胆な発想です。ある意味,遊びバイクにはぴったりのスタイルではないでしょうか。もちろん,その期待に違わない音色を響かせてくれます。




ボディカラーを効果的に演出するためにノーマルのトリプルツリーとアウターケースはブラックペイント。ロー&ロングなフォルムを再現するためにフロントのインナーチューブは短いものに交換しました。

ビックツインだとライト周りもいろいろと遊べますので,ベイツタイプのライトを取り付けました。ライトのボディは車体色に合わせてブルーメタリックで仕上げてあります。ローライダーカスタムといえば,やはりこの組み合せですよね。

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ノーマルフェンダーには,お馴染みのデュオテール。フェンダーの先端まで描かれたフレイムラインが圧巻です。ブラックペイントされたフェンダーストラットには,レンズだけ薄いものに交換したノーマルウインカーを取り付けました。安易にブレットウインカーを選ばないところがセンスの見せどころです。

ベルトプーリーはブラックとレッドで,前後のホイールはシルバーでペイントされ,足元を引き締めています。

MAR.2004